吉林[省]【きつりん】
中国,東北地区の省。簡称は吉。南東はロシア沿海州と朝鮮,西は内モンゴル自治区に接する。省都は長春。南東部は長白山脈が連なり,第二松花江・図們江(ともんこう)(豆満江)流域は肥沃な平野をなす。気候は大陸性で寒冷。長大,長浜,長白,長図などの鉄路網が発達し,結氷期以外は水運がよく利用される。重要な穀倉地帯(小麦,コーリャン,ダイズ)で機械化農業がかなり普及しており,木材,テンの毛皮,チョウセンニンジン,各種薬材および石炭・金・銀・銅などの鉱産資源に富み,松花江の豊満ダムなどによる大規模な水力発電は東北の重工業を支える基礎となっている。長春の自動車・機械工業,吉林の化学工業は規模が大。東部の延吉一帯には朝鮮人移民が多く延辺朝鮮族自治州をなすが,満族,回族,モンゴル族も本省には多い。18万7400km2。2702万人(2014)。
→関連項目東三省|満州
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きつりん【吉林[省] Jí lín shěng】
中国東北部の一級行政区。省都は長春。1自治州(延辺朝鮮族自治州),26市(8地級市,18県級市),19県,3自治県からなる。北は黒竜江省,南は遼寧省,西は内モンゴル自治区と境し,東はロシアのいわゆる極東州の南端および朝鮮民主主義人民共和国と接する。東西約600km,南北約300km,面積約19万km2,全国総面積の約2%にあたる。人口2592万(1995)。地勢は南東に高く,北西に向かって低くなる。
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