ある者(名板貸主)が他人(名板借人)に自己の氏名または商号を使用して営業をなすことを許諾する契約のこと。名義貸または看板貸契約ともいう。そもそも名板貸は,取引所(そこでは会員しか取引できない)の会員が会員でない者に営業名義を賃貸し,その名義賃借人に会員と同じ効果を収めさせる商慣習から始まったものである。名義使用を許諾した名板貸主は自己を営業主と誤認した取引の相手方に対し,その取引により生じた債務につき名板借人と連帯して責任を負わねばならない(商法23条)。また名板借人は名板貸主の名義を利用するのであっても,取引の主体者として当然責めを負う。たとえ他人がかってに自己の商号等を使用したのであっても,それを知りながら放置するときには黙示的に名義使用を許諾したことになる。このような名板貸による責任は権利外観理論(レヒツシャインRechtsschein)または禁反言の法理(エストッペルestoppel)に基づき,外観を信頼した第三者を保護するためのものである。免許事業では,脱法行為防止のため名義貸を禁止するものが少なくない(証券取引法44条,道路運送法33条等)。
執筆者:森 淳二朗
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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