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脱法行為 だっぽうこうい

大辞林 第三版の解説

だっぽうこうい【脱法行為】

形式的には強行法規に違反してはいないが、実質的にその法規の趣旨に反する行為。

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世界大百科事典 第2版の解説

だっぽうこうい【脱法行為】

広義では,法律の禁止を潜脱する行為をいい,狭義では,強行法規(〈強行法規・任意法規〉の項参照)に直接違反しないが,実質的にそれに違反するのと同一の効果をもたらす行為をいう。たとえば,恩給権者AがBから金を借りる場合,Aは恩給受領の権限をBに委任し,代理人として恩給を受領したBがこれを貸金の元利に充当し,完済されるまでは委任契約を解除しないという契約を結ぶことがしばしば行われた。これらの契約は個別的にはなんら違法なものではないが,全体として実質的に恩給権を担保に入れたのと同一の効果をもたらし,これを禁止する恩給法(11条)に違反することになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脱法行為
だっぽうこうい

形式的には強行法規の禁止規定に違反しないで、実質的にその禁止していることを実現する行為。たとえば、恩給は担保に入れることを禁止されているのに対して、世上しばしば不解除特約つき恩給取立ての委任が行われている。これは、債権者に恩給の取立てを委任して取立ての代理権を授与し、元利の完済に至るまで委任を解除しない(不解除特約)という契約であって、実質的には恩給担保である。法律のなかには脱法行為の禁止を明示するものが少なくなく(たとえば物価統制令9条など)、これらの規定に違反すると、違反部分は無効となる。しかし法律に規定がない場合でも、強行法規の規定の趣旨が、他の手段によってもその法規の禁止内容の実現を許さないとみるべき場合には、脱法行為として無効となる。たとえば、判例は、恩給担保を脱法行為とし、不解除特約を無効だとした(したがって恩給証書の返還をいつでも請求できる)。[淡路剛久]

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世界大百科事典内の脱法行為の言及

【強行法規・任意法規】より

…強行法規は,そこに定められた行為や状態の法的実現を国家の基本原則として示すものであり,強行法規違反の行為は法的に無効とされる。なお,このような行為を別の手段を用いて行おうとするとき,その行為は脱法行為と呼ばれ,やはり法的には無効とされる。また,強行法規はそれに違反する行為の無効を定めるものの,必ずしもその行為に対して制裁を課すわけではない点で,取締規定とは異なる。…

※「脱法行為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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