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名越善正 なごしぜんせい

百科事典マイペディアの解説

名越善正【なごしぜんせい】

安土桃山時代〜江戸初期の釜師京釜の代表者の一人。京都三条釜座に住む。織田信長の釜師として〈天下一〉を称し,今日まで続く釜師の名家である名越家の基礎を作った。徳川家康の釜師ともいわれるが定かではない。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

名越善正 なごし-ぜんせい

?-1619 織豊-江戸時代前期の釜(かま)師。
名越三昌(さんしょう)・家昌(いえまさ)・実久(さねひさ)の父。名越家11代をつぎ,京都三条釜座(かまんざ)をとりしきる。のち徳川家康の釜師となったともいう。元和(げんな)5年4月死去。通称は弥七郎。

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朝日日本歴史人物事典の解説

名越善正

没年:元和5.4(1619)
生年:生年不詳
桃山・江戸初期の京三条釜座の釜師。通称弥七郎。浄祐の子で,名越家の11代目。西村道冶の『釜師之由緒』(1700)では徳川家康の釜師といい,名越昌孝の『鋳家系』に「慶長年中,故有て釜座の号を止らる,駿府に下り,訴訟して,再び釜座の号を賜る,元和五年四月死」と記すのみで記録が少ない。名越家は釜座中最も古い家系といわれ,特にこの善正の子三昌 は慶長19(1614)年,京都方広寺の梵鐘鋳造の際,棟梁として全国の鋳物師を統率しており,善正は三条釜座の中心的存在であったと推測される。しかし,作品の確かなものは現存せず,西村道仁との合作の「猿釜」が『名物釜名寄』に載せられるのみである。

(原田一敏)

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世界大百科事典 第2版の解説

なごしぜんせい【名越善正】

?‐1619(元和5)
安土桃山時代~江戸初期の釜師。浄祐の子で名越家の11代。通称弥七郎。織田信長の釜師。天正期(1573‐92)ころ京都三条釜座の鋳物師棟梁として勢力を振るい,天下一を号した。釜の遺品は少ないが,文禄・慶長(1592‐1615)ころ西村道仁とともに京釜の草創を成し,彼以後の名越家の礎を築いた。徳川家康の釜師ともいわれるが定かではない。江戸名越家の作った系図《鋳家系》によれば,名越家は釜師中最古の家系で,初代七郎左衛門は北条義時の次男とされているが信用しがたい。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

名越善正
なごしぜんせい
(?―1619)

桃山時代の釜師(かまし)。浄祐(じょうゆう)の子で、名越家の11代と伝える。通称弥七郎(やしちろう)。京都三条釜座(かまんざ)に住し、同じ釜座の西村道仁(どうにん)とともに京釜の名工として知られ、「天下一」の称号を名のり、のち徳川家康の釜師になったという。名越家は、家譜によれば、その初代七郎左衛門は北条義時(よしとき)の次男としているが、信憑(しんぴょう)性は乏しい。善正は茶の湯釜の名家としての基礎をつくり、長男の三昌(さんしょう)は京都名越家の初代となり、次男の家昌(いえまさ)は江戸に下って江戸名越家を開いた。三昌はとくに方広寺の大梵鐘(ぼんしょう)の鋳造に際し、鋳物師棟梁(とうりょう)として従事したことがよく知られ、また家昌は徳川将軍家の御用釜師となり、以後代々引き継がれて大いに栄えた。善正の作品の現存するものは少なく、西村道冶(どうや)著の『名物釜所持名寄(なよせ)』では西村道仁との合作「猿釜」や、「四方(よほう)筒釜」「常張釜」「尻張(しりばり)釜」を載せている。[原田一敏]

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世界大百科事典内の名越善正の言及

【釜師】より

…足利将軍家においては御釜師の名称も用いられたといわれるが,釜の発祥地とされる筑前芦屋や下野(しもつけ)天命では金屋を称しており,いわゆる鍋・釜や梵鐘,釣灯籠なども製作していたが,金屋大工が一般に釜師と称されるようになったのは,京釜が隆盛した安土桃山時代以後のことと考えられる。1700年(元禄13)に西村道冶が著した《釜師之由緒》には〈一,紹鷗時代京都天下一西村道仁,名越善正也。道仁は信長公御釜師…(略)…善正は家康公の御釜師浄味弥右衛門の元祖也〉とある。…

※「名越善正」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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