(読み)ガン

デジタル大辞泉の解説

がん【含】[漢字項目]

常用漢字] [音]ガン(慣) [訓]ふくむ ふくめる
口中に入れる。ふくむ。「含嗽(がんそう)含味
内部にふくみ持つ。「含意含蓄含有内含包含
感情などをあらわに出さない。「含羞(がんしゅう)
[名のり]もち
[難読]含嗽(うがい)含羞草(おじぎそう)含羞(はにかみ)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

ふくませ【含】

〘名〙
※京阪食べある記(1930)〈松崎天民〉食べ歩く大阪あちこち「つき出しは栗のふくませ」
② 死んだ人が火葬にされるまでの間、顔かたちを整えるために頬の内側に入れるつめもの。
※とむらい師たち(1966)〈野坂昭如〉「もう近頃はスポンジの含ませも使わず、やせこけたんはやせたまま、なにもふくよかに見せることはない」

ふくま・る【含】

〘自ラ五(四)〙 含まれている。中にはいっている。
※志都の岩屋講本(1811)下「神気と云ふ物は霊液に含まり有って」

ふくみ【含】

〘名〙 (動詞「ふくむ(含)」の連用形の名詞化)
① 含むこと。含むもの。
② 表面に現われない隠れた意味・内容。含蓄。「その含みで」の形で、その事情を心得た上で、の意に用いることもある。
歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)序幕「てめえに含みを言って置かう」
※中野重治論‐『五勺の酒』(1947)〈荒正人〉「民族などという語は、たといどんなふくみがあるにしても、〈略〉わたくしの取らないところである」
③ (口に含ませるところからいう) 轡(くつわ)。くつばみ。はみ。〔俚言集覧(1797頃)〕
の上に他の材が載るとき、上の材が下の材に噛まれている部分。また、その大きさ。たとえば、肘木を載せるため、斗を欠き込んだ部分。

ふく・む【含】

[1] 〘自マ四〙
① 中に包み持っているような形になる。ふくらむ。ふくれて柔らかになる。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「指貫の裾つかた、すこしふくみて」
② 植物がつぼみをもつ。
※古今六帖(976‐987頃)二「忘るやと野に出でて見れば花ごとにふくめるものはあはれなりけり〈素性〉」
[2] 〘他マ五(四)〙
① 内に物事を包み持つ。また、ある範囲の中に別の物をいっしょに込める。「手数料を含む」
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一「を以て香山を銜(フクミ)て」
② 口の中に物を入れる。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「盛夏に凍を含(フクム)
③ 思い、感情などを心中に抱く。また、他の命令、意志などを守ろうとして心にとめる。
※観智院本三宝絵(984)上「此人、内には悪の心を含めりけれど、外かには猶僧の姿なり」
④ 内に包みもっている感情、思いなどを表面に表わす。また、様子、色あいなどを帯びる。
※続浦島子伝記(920)「蘭菊含咲而不凋」
※日葡辞書(1603‐04)「エミヲ fucumu(フクム)
⑤ 謡曲で「つ」の音を、唇を閉じて鼻へ抜き発音する。のむ。ふくめる。
⑥ 数学で、集合Aが集合Bをその部分集合にもつこと。すなわち、集合Bの要素がすべて集合Aの要素になっていること。また、集合Aがものaを要素としてもっていることをさすこともある。
[3] 〘他マ下二〙 ⇒ふくめる(含)

ふく・める【含】

〘他マ下一〙 ふく・む 〘他マ下二〙
① 内に物を包み持たせる。また、ある範囲の中に物をいっしょにして扱う。包含する。こめる。「手数料を含めて」
※行人(1912‐13)〈夏目漱石〉一二「凡ての精神病を含(フク)めて云ふやうで、医者から笑はれるかも知れないが」
② 口の中に物を入れる。含ませる。
※観智院本三宝絵(984)中「父母よろこびてとりかへして、乳をふくめてやしなふ」
③ 言いきかせて、心の中にはいるようにする。理解させる。
※源平盛衰記(14C前)七「山城判官秀助宣命を含(フクメ)させて、又車に押乗奉りて」
④ よく煮て味がしみこむようにする。
※庖丁聞書(室町末か)「干鯛、干鱈をふくめ」
⑤ =ふくむ(含)(二)⑤

ふふま・る【含】

〘自ラ四〙 花や葉がふくらんだまま、まだ開かないでいる。
※万葉(8C後)一四・三五七二「何(あ)ど思(も)へか阿自久麻山のゆづる葉の布敷麻留(フフマル)時に風吹かずかも」
[補注]「万葉集」の例は、動詞「ふふむ(含)」に助動詞「り」の連体形の付いた「ふふめる」の上代東国方言とする説もある。

ふふ・む【含】

[1] 〘自マ四〙 花や葉がふくらんで、まだ開かないでいる。つぼみのままである。ふくむ。
※万葉(8C後)一八・四〇六六「卯の花の咲く月立ちぬ霍公鳥(ほととぎす)来なき響(とよ)めよ敷布美(フフミ)たりとも」
[2] 〘他マ四〙 (「ふぶむ」とも)
① 口の中に入れて持つ。ふくむ。
※史記抄(1477)一三「血が多て流るるを蹈と云心ぞ。喋(フフメリ)とも、喋(すする)とも、喋(ふむ)とも点じたぞ」
② 内に包みもつ。ふくむ。
※書紀(720)神代上(兼方本訓)「渾沌(まろか)れたること、鶏(とり)の子の如(こと)くして、溟涬(ほのか)にして牙(きさし)を含(フフメ)り」
③ ある感情を内に抱く。多く、怒り、怨みなどの感情を抱く場合にいう。ふくむ。
※書紀(720)神武即位前戊午年一二月(熱田本訓)「五瀬の命矢に中(あた)りて薨(かむさ)りませり。天皇銜(フフミもち)たまふて常に憤懟(いかかみうらむること)を懐(いた)きて」
④ とざす。つぐむ。
※将門記承徳三年点(1099)「舌を巻きて口を鉗(フフム)で黙して閑居す」
[3] 〘他マ下二〙 口の中にはいるようにする。ふくませる。
※地蔵十輪経元慶七年点(883)二「沐浴し懐抱(はう)し、乳哺(〈別訓〉フフメ)し、支節を按摩し、乃至、戯笑し」

ほほま・る【含】

〘自ラ四〙 まだ十分ひらかずにいる。つぼみのままでいる。ふふまる。
※万葉(8C後)二〇・四三八七「千葉の野の児手柏(このてがしは)の保々麻例(ホホマレ)どあやに愛(かな)しみ置きてたか来(き)ぬ」

ほほ・む【含】

[1] 〘自マ四〙 つぼみのままでいる。ふふむ。ふくむ。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
[2] 〘他マ下二〙 ふくむようにする。ふくめる。ふふむ。
散木奇歌集(1128頃)夏「時鳥なかぬなげきの杜に来ていとども声をほほめつるかな」

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