(読み)ガン

デジタル大辞泉 「含」の意味・読み・例文・類語

がん【含】[漢字項目]

常用漢字] [音]ガン(慣) [訓]ふくむ ふくめる
口中に入れる。ふくむ。「含嗽がんそう含味
内部ふくみ持つ。「含意含蓄含有内含包含
感情などをあらわに出さない。「含羞がんしゅう
[名のり]もち
難読含嗽うがい含羞草おじぎそう含羞はにかみ

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精選版 日本国語大辞典 「含」の意味・読み・例文・類語

ふくみ【含】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ふくむ(含)」の連用形の名詞化 )
  2. 含むこと。含むもの。
  3. 表面に現われない隠れた意味・内容。含蓄。「その含みで」の形で、その事情を心得た上で、の意に用いることもある。
    1. [初出の実例]「てめえに含みを言って置かう」(出典:歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)序幕)
    2. 「民族などという語は、たといどんなふくみがあるにしても、〈略〉わたくしの取らないところである」(出典:中野重治論‐『五勺の酒』(1947)〈荒正人〉)
  4. ( 口に含ませるところからいう ) 轡(くつわ)。くつばみ。はみ。〔俚言集覧(1797頃)〕
  5. 材の上に他の材が載るとき、上の材が下の材に噛まれている部分。また、その大きさ。たとえば、肘木を載せるため、斗を欠き込んだ部分。

ふくませ【含】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ふくめに(含煮)
    1. [初出の実例]「つき出しは栗のふくませ」(出典:京阪食べある記(1930)〈松崎天民〉食べ歩く大阪あちこち)
  3. 死んだ人が火葬にされるまでの間、顔かたちを整えるために頬の内側に入れるつめもの。
    1. [初出の実例]「もう近頃はスポンジの含ませも使わず、やせこけたんはやせたまま、なにもふくよかに見せることはない」(出典:とむらい師たち(1966)〈野坂昭如〉)

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普及版 字通 「含」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] ガン
[字訓] ふくみだま・ふくむ

[説文解字]

[字形] 会意
今+口。今は、酒器(あん)、飮(飲)の初文を(いん)としるすように、器の栓のある蓋の形。口は甲骨・金文の字では、一般に祝告を収める器の形の(さい)であるが、含は含玉の意であるから、今を口に加えて、死気を遮閉する意とみてよい。〔説文〕二上に「(ふく)むなり」とあり、の初文。その復活を願う意を以て、形の玉器を用いる。含玉の意より、のちすべて内に含む意に用いる。

[訓義]
1. ふくみだま、
2. ふくむ、うちにふくむ、つつむ、いだく、おもう、おさめる。

[古辞書の訓]
名義抄〕含 フクム・ククム・フフム・シノフ・ツボム

[声系]
〔説文〕に含声とするものは一字。含・はもと同字である。文献にを用いるのは俗字。

[語系]
含・hm、銜hem、また函・涵ham、heamはみな声義に通ずるところがあり、一系の語。坎kham、陷(陥)heamも同系とみてよい。

[熟語]
含哀・含握・含・含・含一含雨・含英・含怨・含・含懐・含・含含・含気含義・含嬌・含玉・含欣・含薫・含血・含胡・含糊・含弘含垢・含詬・含恨・含酸含歯含辞・含嚼・含珠含秀・含羞・含愁・含春・含笑・含情・含・含翠・含吮・含咀・含・含楚・含態・含胎・含蓄・含・含睇・含吐・含怒・含徳含納・含・含貝・含美・含筆・含顰・含覆・含・含餔・含哺・含味含霧・含有・含孕・含養・含涙・含霊・含斂・含・含露
[下接語]
阿含・意含・廻含・気含・吐含・内含・包含・容含

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