20世紀日本人名事典 「和田英」の解説
和田 英
ワダ エイ
- 生年
- 安政4年8月21日(1857年)
- 没年
- 昭和4(1929)年9月26日
- 出生地
- 信濃国埴科郡松代町(長野県長野市)
- 本名
- 和田 ゑい
- 旧姓(旧名)
- 横田
- 経歴
- 父はもと松代藩士で明治5年開業の富岡製糸場の工女募集係を務めていた。同製糸場ははじめ、その指導的立場にあったフランス人が飲むワインを当時の民衆が人間の生き血と勘違いしたことから工女が集まらなかった。そこで父の指示により6年の春率先して同製糸場に入り、人々を啓蒙してのちに続く工女たちの模範を示すと共に1年数ヶ月に渡って製糸技術を伝習。その後は郷里に帰り、地元の西条村製糸場(のち六工社)や長野県製糸場などで工女たちへの技術指導に当たった。13年に退職して陸軍軍人和田盛治と結婚。のち、富岡製糸場時代の思い出を「富岡日記」として綴り、大正2年に稿了。この書は日本における殖産興業期を伝える貴重な資料として高い評価を得ている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報