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商品先物取引

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

商品先物取引

貴金属や石油、農産物などの「商品」を、将来の一定期日に、あらかじめ決めた価格で売買する取引。期日が来ても、実際は商品を受け渡さず、差額を決済するのが一般的。実際の売買代金の5〜10%程度の証拠金を用意すれば、取引を始められる。東京工業品取引所で金を取引する場合、取引単位(1枚)は1キロ。先物価格が1グラム=2千円の場合、1枚の売買代金は200万円に相当するが、証拠金9万円で注文できる。元手に比べて大きな利益が得られる可能性がある一方、元手以上の損失を被ることもある。

(2006-11-12 朝日新聞 朝刊 1経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

商品先物取引
しょうひんさきものとりひき
commodity futures transaction (contract)

農産物や工業品を将来のある決まった期日に売買すると約束し、現時点でその価格を決める取引。先物取引の一種である。商品先物取引には公正で透明性のある価格を形成する機能があるほか、農業生産者や工業品の需要家にとっては、将来の価格変動リスクを回避(ヘッジ)できる機能がある。投資家にとっては資産運用手段の一つである。商品先物取引は、取引に入る前に「証拠金」という担保を差し入れることで証拠金額の何倍にも上る取引をすることが可能である。このため予想に反して商品価格が変動した場合、証拠金を上回る損失が出るおそれがあり、商品先物取引は元本の保証されないハイリスク・ハイリターン取引といえる。日本では2011年(平成23)に商品先物取引法が施行され、取引を望まない消費者に電話や訪問で商品先物取引を勧誘することは禁じられている。
 商品先物取引では売買期限(限月)が決まっており、期限までに売買の約束を履行しなくてはいけない。限月以前であれば、いつでも買っていたものを売ったり、売っていたものを買い戻したりする「反対売買」が可能である。反対売買時点で、取引開始時点との商品の差額を清算して取引を終えることができ、これを「差金決済」という。
 商品先物取引を行う取引所を商品先物市場とよぶ。実質的に世界最初の商品先物取引は1730年(享保15)に大坂の堂島米会所(どうじまこめかいしょ)(堂島米市場)で始まった米の先物取引である。アメリカでは1840年代に、中西部穀倉地帯の中心に位置するシカゴで商品先物取引が始まり、その後、世界に広がった。日本では1990年代に16の商品取引所があったが、2014年10月時点で東京商品取引所と大阪堂島商品取引所の2か所に集約された。監督官庁は工業品は経済産業省、農・海産物は農林水産省に分かれている。2014年10月時点で、日本で売買されているのは農・海産物では大豆、小豆(あずき)、トウモロコシ、粗糖、冷凍エビなど、工業品では金、白金、パラジウム、ガソリン、灯油、軽油、原油、ゴムなどである。このほか国際穀物等指数の取引があるほか、米が試験上場されている。世界の商品先物取引の売買高は、商品先物に金融派生商品(デリバティブ)や現物を組み合わせた総合取引所化が進み、電子取引(オンライン化)の普及もあって急増しているが、日本国内の売買高は2003年をピークに減少傾向にある。[矢野 武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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