四川料理(読み)シセンリョウリ

デジタル大辞泉 「四川料理」の意味・読み・例文・類語

しせん‐りょうり〔‐レウリ〕【四川料理】

中国四川一帯で発達した料理麻婆マーボ豆腐棒棒鶏バンバンジーなど辛い味付けが特徴。→中国料理

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四川料理」の意味・わかりやすい解説

四川料理
しせんりょうり

川菜 Chuan-caiともいう。中国四川省の省都成都から発達した料理で,成都菜を正統とする。土地は肥沃で,物産が豊富である反面盆地で海から遠く,寒さがきびしいため食品の保存法が発達し,にんにく,ねぎ,唐辛子などを多く使った料理が多い。一説には,北京から四川に派遣される官吏が多かったので,北京料理の流れをくんでいるといわれる。味つけは,酸 (すっぱ味) ,辣 (刺激辛味) ,麻 (ぴりっとしまった味) ,香 (香り) が基本となり,苦 (苦味) ,甜 (甘味) ,鹹 (塩辛味) を加えた独特なものである。有名なものは,麻婆豆腐 (豆腐ひき肉の唐辛子味噌炒め) ,香酥鶏 (鶏肉の香り揚げ) ,棒々鶏 (鶏肉の唐辛子ごま和え) ,貴妃鶏または貴妃鳳翼 (楊貴妃が好んだという鶏手羽先の煮込み) ,乾焼明蝦 (大正えびの唐辛子炒め) など。

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百科事典マイペディア 「四川料理」の意味・わかりやすい解説

四川料理【しせんりょうり】

川菜(チョワンツアイ)とも。中国料理のうち四川省を中心にした料理。一帯は山岳地帯で海産物がない地で,保存食にすぐれ,香辛料,特にトウガラシを多用し刺激の強い調味が特徴。漬物が盛んでザーサイ搾菜)が有名。麻婆豆腐(マーポートウフー)(トウガラシみそによる豆腐料理),魚香肉糸(ユイシャンロースー)などがある。
→関連項目中国料理豆板醤

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「四川料理」の解説

しせんりょうり【四川料理】

中国料理の4大系統の一つで、国土のほぼ中央に位置する四川省の料理。とうがらしや花椒(中国料理で用いられるさんしょう)などの香辛料を多用し、辛みの強い料理が多い。奥地で海産物が少ないことから食品の保存法に優れ、工夫をこらした調理法が発達した。麻婆(マーボー)豆腐棒棒鶏(バンバンジー)回鍋肉(ホイコーロー)などが知られる。

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世界大百科事典(旧版)内の四川料理の言及

【中国料理】より

…また黄河,長江,珠江の三大河の流域をそれぞれ一つの系統とみなした分け方もある。つまり,黄河流域の開封を中心に発達した北菜(河南・山東・河北・山西・天津・北京料理),長江流域の揚州を中心に発達した南菜(揚州・徽州・蘇州・杭州・上海・寧波(ニンポー)・無錫(むしやく)・南京・湖南・江西・四川料理)と,珠江流域の広州を中心に発達した粤菜(えつさい)(広東料理)である。また,中国の地方語の分布と重ね合わせて分類する考え方もある。…

※「四川料理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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