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回帰熱 かいきねつ relapsing fever

翻訳|relapsing fever

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

回帰熱
かいきねつ
relapsing fever

再帰熱ともいう。病原性スピロヘータの一つの属 genusであるボレリアの感染によって起る急性感染症。ノミ,ダニ,シラミなどが媒介する。潜伏期は平均7日で,40℃以上の高熱が1週間ぐらい続き,その後約1週間は熱がなく,再び発熱するといった経過を繰返すので,回帰熱という。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵の解説

回帰熱

野生のマダニやシラミが媒介する細菌感染症。病原体はボレリア・ミヤモトイという細菌で、これを保菌するマダニやシラミに咬(か)まれたヒトだけが感染・発症し、ヒトからヒトへの二次感染はしない。発熱を3~5回繰り返すことからこの名前がついた。
保菌しているマダニに咬まれたり、シラミを潰したりすることで感染し、5~10日のうちに頭痛や筋肉痛などを伴う発熱がみられるが、3~7日でいったん平熱に戻る。熱のない期間は血中から細菌は検出されないものの、発汗や全身倦怠(けんたい)感、丘疹などがみられることがある。平熱が5~7日続いた後、また発熱期に入る。
ペニシリンなどの抗生物質が有効だが、適切な治療が行われなかった場合、患者の栄養状態や元々の健康状態によっては、致死率は30%にも上る。予防ワクチンはなく、感染を防ぐためには山野に入る際に、長袖・長ズボンを着用し皮膚を隠し、ダニ除けを塗る必要がある。マダニはヒトの皮膚に数日間咬みついたまま吸血する。潰したり無理に引き剥がしたりすると、マダニの体液から感染することもあるので、皮膚にマダニが付いているのを見つけた場合は、皮膚科で取ってもらうこと。
ダニ媒介性、シラミ媒介性ともに、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸、中央アジアなど世界中にみられる。日本では戦後、衛生状態が向上し、国内感染はここ数十年間起こっていないとされてきたが、厚生労働科学研究班による調査で2013年9月、ダニ媒介性の回帰熱が過去に2例あったことが明らかになった。この2例はいずれも北海道在住の患者で、シェルツェマダニによる媒介例であり、症状のよく似たライム病と診断されて抗生物質により回復したもの。ライム病との重複感染の可能性もあるとされている。
感染症法では4類感染症に指定されており、診断した医師はただちに保健所に届け出ることになっている。

(石川れい子 ライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

かいき‐ねつ〔クワイキ‐〕【回帰熱】

世界各地、特に熱帯地方に存在する悪性の感染症。病原体はスピロヘータの一種で、シラミやダニが媒介する。高熱・頭痛・嘔吐(おうと)・黄疸(おうだん)・下痢・四肢痛などの症状が数日続き、1週間前後の周期で繰り返す。感染症予防法の4類感染症の一。再帰熱。

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百科事典マイペディアの解説

回帰熱【かいきねつ】

再帰熱とも。スピロヘータによる伝染病。戦争や飢饉(ききん)に際してシラミやダニに媒介されるが,日本にはまれ。高熱と無熱とが1週間ずつ繰り返され,やがて無熱状態になる。
→関連項目届出伝染病

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世界大百科事典 第2版の解説

かいきねつ【回帰熱 relapsing fever】

再帰熱ともいう。ボレリア属Borreliaのスピロヘータが病原体の感染症で,シラミとノミが媒介する2型がある。世界各地に分布するが,日本にはない。潜伏期は4~18日という。皮膚を通して感染したのち臓器に入り,血液中に出るとき発熱する。約1週間後,抗体ができると解熱するが,さらに約1週間後,抗原変異を起こした株が血流に入ると,再び発熱するという病態をくりかえす。2~5回の発作ののち,しだいに発熱期間は短く,無熱期間が長くなって治癒していく。

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大辞林 第三版の解説

かいきねつ【回帰熱】

スピロヘータを病原体とする感染症。シラミやダニが媒介する。高熱・悪寒・皮膚黄変などの症状を呈するが五~七日で消失し、約一週間の無症状期のあと再び前症状を起こし、これを繰り返す。再帰熱。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

回帰熱
かいきねつ
relapsing fever

再帰熱ともいい、数日間の発熱期と解熱期が交互に反復しておこる感染症で、病原体はボレリア属のスピロヘータである。感染症予防・医療法(感染症法)では4類感染症に分類されている。回帰熱ボレリアBorrelia recurrentisはシラミ媒介性で、他のボレリアにはダニ媒介性のものがある。前者は流行性に、後者は風土病的に散発性に発生する。オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島など一部の地域を除き広く世界に分布するが、日本には常在しない。潜伏期は4~18日。通常、悪寒戦慄(せんりつ)に伴う高熱と著明な筋肉痛がみられる。熱型は特徴的で、数日で39℃以上に達し、そのまま高熱が続いて稽留(けいりゅう)傾向を示したのち、ふたたび変化の激しい熱の上がり下がりが数日続き弛張(しちょう)する。3~7日で平熱まで分利(高熱から急に平熱まで下がる)状に解熱する。その後、1か月近く外見上健康状態を保ち、ふたたび同様の発熱がおこる。このような熱発作を3~10回も周期的に繰り返す。治療としてはテトラサイクリンやエリスロマイシンが効果がある。[松本慶蔵・山本真志]

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