感染症予防法(読み)カンセンショウヨボウホウ

デジタル大辞泉の解説

かんせんしょうよぼう‐ほう〔カンセンシヤウヨバウハフ〕【感染症予防法】

《「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の略称》感染性が強く生命および健康に重大な影響を与える感染症を指定し、その予防・蔓延(まんえん)防止について規定した法律。法律の対象とする感染症を感染力や症状の重篤性に基づいて、1類感染症から5類感染症に分類し、さらに新型インフルエンザ等感染症・指定感染症新感染症について定めている。伝染病予防法性病予防法・エイズ予防法後天性免疫不全症候群の予防に関する法律)を廃止統合して平成10年(1998)に制定、平成11年(1999)施行。平成19年(2007)結核予防法を統合。感染症法。感染症予防・医療法。
[補説]1類感染症として、エボラ出血熱クリミアコンゴ出血熱痘瘡南米出血熱ペストマールブルグ病ラッサ熱が指定されている。

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百科事典マイペディアの解説

感染症予防法【かんせんしょうよぼうほう】

新たな感染症が多発する現代にあって,制定(1897年)から100年以上経ち実情にあわなくなった伝染病予防法と,エイズ予防法性病予防法を廃止,統合する新法。1998年10月公布,1999年4月施行。 伝染病予防法は,患者を社会から隔離する以外に感染の拡大を防ぐことができなかった時代を反映し,対象となる伝染病(感染症)をすべて一律に隔離対象とするなど,伝染病への偏見や差別の原因にもなっていた。その反省点にたち,感染症予防法では,感染の拡大防止と患者の人権保護が両立するように,法の対象となる感染症を一律に隔離対象とするのではなく,危険性の高い感染症から順に,〈強制隔離〉〈隔離を含む行動制限〉〈就業制限〉〈法的な行動制限なし〉の4段階のランクを設けた。 指定病院への入院勧告や命令の対象という,当初の伝染病予防法に近い扱いとなる4号感染症は,エボラ出血熱ラッサ熱,マールブルグ病,クリミア・コンゴ出血熱など4種類のウイルス性出血熱とBウイルス病,およびペストの6種類(いずれも国内には患者がつねに存在しない)。状況に応じて入院勧告や命令が可能な3号感染症には,伝染病予防法の対象となっているコレラ,細菌性赤痢腸チフスパラチフスポリオジフテリアの6種類。O-157を含む腸管出血性大腸菌は,就業制限のみ認められた2号感染症に,エイズ日本脳炎狂犬病,ウイルス性肝炎MRSA感染症などは,感染症指定病棟への入院を必要としない1号感染症に分類された。2003年に,新感染症対策・検疫対策・動物由来感染症対策を強化するために改正された。2006年改正(2007年4月施行)では,病原体等の管理に関する規定を創設,感染症法対象疾病分類の見直し,結核予防法の感染症法への統合,人権に関する手続等の改正などが行われた。2011年の一部改正では,チクングニア熱を四類感染症に追加,薬剤耐性アシネトバクター感染症を五類感染症に追加等,2013年3月の一部改正では〈侵襲性インフルエンザ菌感染症〉を五類感染症に追加,5月の一部改正では,鳥インフルエンザ(H7N9)が指定感染症に指定され,国内で患者が発生した場合,当該患者に対して入院の措置や就業制限,接触者の調査ができる等,迅速な対応により感染拡大防止措置が図られることとなった。→ウイルス病
→関連項目指定伝染病

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大辞林 第三版の解説

かんせんしょうよぼうほう【感染症予防法】

正称、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を規定し、感染症の発生を予防し蔓延の防止を図ることを目的とする。1998年(平成10)制定。感染症予防医療法。 → 指定感染症新感染症

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