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国意考 こくいこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国意考
こくいこう

賀茂真淵の著。1巻。文化3 (1806) 年刊。『歌意考』『語意考』など国学の体系を著わしたいわゆる五意考の一つ。真淵は歌論,国学双方に大きな業績を残したが,本書は国学の復古思想を明確に打出した代表的著作である。国意とは日本固有の精神の意で,彼は本書において外来思想,特に儒仏思想に対して日本古来の精神の優秀性を説いた。知巧,強制,束縛の儒仏思想を排して,自然のままに生活した日本古代 (古道) に復帰すべきだという復古主義の主張は,一方では国粋主義的偏狭に陥る方向性をもったが,他方では儒教道徳の束縛から人間の性情を解放する意味をもった。彼の歌論と結びついた復古主義はのち本居宣長に継承されていく。

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デジタル大辞泉の解説

こくいこう〔コクイカウ〕【国意考】

江戸後期の国学書。1巻。賀茂真淵著。文化3年(1806)刊。儒教・仏教などの外来思想を批判し、古代の風俗歌道の価値を認め、日本固有の精神への復帰を説いたもの。

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百科事典マイペディアの解説

国意考【こくいこう】

江戸中期の国学書。賀茂真淵の著。1冊。1765年成立。1806年刊。《歌意考(かいこう)》《語意考》などとともに〈五意考〉の一つ。儒の道が人の理知により強(し)いて作られた小の道であるに対し,日本の国の道(古道,いにしえのみち)は天真のままなることを論考国学の体系を示した。

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大辞林 第三版の解説

こくいこう【国意考】

国学書。賀茂真淵著。1806年刊。儒教を排撃し、日本の上代の道を国意として宣揚し、その確立には歌道によるべきことを説いたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国意考
こくいこう

江戸時代の思想書。国学者賀茂真淵(かもまぶち)の代表的著作「五意考(ごいこう)」の一つ。元来『国意(くにのこころ)』とよばれたらしい。1765年(明和2)成立。1806年(文化3)11月刊。版本には、野公台(野村淡海)の「読加茂真淵国意考」および橋本稲彦の「弁読国意考」付載。真淵の理想とした古道の根本思想を説いた論書で、日本固有の古(いにしえ)の道は、儒教や仏教など外来思想によって曇らされたとし、儒教的な理想主義に対する反発から、老荘思想や近代の自然主義に通じるような一面もみえる。古道については、歌道の意義を強調し、「ことわり」にとらわれず、自然の「まこと」に任せ、「和(にき)び」を旨とすべきを説いている。[井上 豊]
『『日本思想大系39』(1972・岩波書店) ▽『賀茂真淵全集19』(1980・続群書類従完成会)』

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