19世紀中ごろから20世紀にかけて、主としてヨーロッパ音楽の主流をなしていなかった地域を中心におこったナショナリズム(国民主義)音楽を総体的にとらえた呼称。この一派の作曲家は、ロマン派音楽の手法にもっとも強く影響を受けながらも、自民族に継承されていた音楽や伝説などに着目し、創作活動を行った。国民楽派の典型は、グリンカに始まり、いわゆる「五人組」と称せられているキュイ、バラキレフ、ボロディン、ムソルグスキー、リムスキー・コルサコフに受け継がれたロシアにあるといえよう。しかし、チェコスロバキアのスメタナ、ドボルザーク、ヤナーチェク、ハンガリーのバルトークとコダーイ、スカンジナビアのガーゼ、グリーグ、シベリウスも忘れてはならない存在である。一方、かつては他国に比して優れた音楽文化を示しながら、しだいに影の薄くなっていった国でも、国民楽派とよばれる作曲家が登場。イギリスではエルガー、ホルスト、ボーン・ウィリアムズらにその傾向が顕著にみられ、スペインでは、ドレルに続くアルベニスとグラナドス、さらにファリャ、ニン、チャピ、トゥリーナらの近代の作曲家にも受け継がれている。新大陸においてはアメリカのコープランド、ガーシュイン、アイブス、バーンスタイン、メキシコのチャベス、ブラジルのビラ・ロボスらがあげられる。
[アルバレス・ホセ]
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