国際アンデルセン賞(読み)こくさいあんでるせんしょう(英語表記)Hans Christian Andersen Awards

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際アンデルセン賞」の意味・わかりやすい解説

国際アンデルセン賞
こくさいあんでるせんしょう
Hans Christian Andersen Awards

世界各国の現存作家と画家の全業績に対し贈られる児童文学賞。IBBY(国際児童図書評議会)が、1956年に創設した。2年に一度、作家賞と画家賞の各1名が選出され、受賞者にはIBBY世界大会において賞状メダルが授与される。デンマークの著名な童話作家アンデルセンの名を冠する同賞は、デンマーク女王マルグレーテ2世Margrethe Ⅱ(1940― 、在位1972~ )の後援を受けて運営されており、高い選考水準から「小さなノーベル賞」とも称される。なお、1960年の表彰までは作家の全業績ではなく作品が受賞対象であった。また、画家賞は1966年に設けられた。

 日本人では、画家賞を1980年(昭和55)に赤羽末吉(あかばすえきち)(1910―1990)、1984年に安野光雅(あんのみつまさ)が受賞。作家賞を1994年(平成6)にまど・みちお(1909―2014)、2014年(平成26)に上橋菜穂子(うえはしなほこ)(1962― )、2018年に角野栄子(かどえいこ)(1935― )が受賞している。

[編集部 2022年6月22日]

資料 国際アンデルセン賞受賞者

1956年
〔名誉賞〕イエラ・レップマン(スイス
〔作家賞〕エリナー・ファージョン『ムギと王さま』(イギリス)
1958年
〔作家賞〕アストリッド・リンドグレーン『さすらいの孤児ラスムス』(スウェーデン)
1960年
〔作家賞〕エーリヒ・ケストナー『わたしが子どもだったころ』(西ドイツ
1962年
〔作家賞〕マインダート・ディヤング(アメリカ)
1964年
〔作家賞〕ルネ・ギヨ(フランス)
1966年
〔作家賞〕トーベ・ヤンソン(フィンランド)
〔画家賞〕アロワ・カリジェ(スイス)
1968年
〔作家賞〕ジェームス・クリュス(西ドイツ)
     ホセ・マリア・サンチェスシルバ(スペイン)
〔画家賞〕イジートルンカチェコスロバキア
1970年
〔作家賞〕ジャンニ・ロダーリ(イタリア)
〔画家賞〕モーリスセンダック(アメリカ)
1972年
〔作家賞〕スコット・オデール(アメリカ)
〔画家賞〕イブ・スパング・オルセン(デンマーク)
1974年
〔作家賞〕マリア・グリーペ(スウェーデン)
〔画家賞〕ファルシード・メスガーリ(イラン)
1976年
〔作家賞〕セシル・ボトカー(デンマーク)
〔画家賞〕タチヤーナ・マーブリナ(ソ連
1978年
〔作家賞〕ポーラ・フォックス(アメリカ)
〔画家賞〕スベン・オットー(デンマーク)
1980年
〔作家賞〕ボフミル・ジーハ(チェコスロバキア)
〔画家賞〕赤羽末吉(日本)
1982年
〔作家賞〕リギア・ボシュンガ・ヌーネス(ブラジル)
〔画家賞〕ズビグニェフ・リフリツキ(ポーランド
1984年
〔作家賞〕クリスティーネ・ネストリンガー(オーストリア
〔画家賞〕安野光雅(日本)
1986年
〔作家賞〕パトリシア・ライトソン(オーストラリア)
〔画家賞〕ロバート・イングペン(オーストラリア)
1988年
〔作家賞〕アニー・M・G・シュミット(オランダ)
〔画家賞〕ドゥシャン・カーライ(チェコスロバキア)
1990年
〔作家賞〕トールモー・ハウゲン(ノルウェー)
〔画家賞〕リスベート・ツベルガー(オーストリア)
1992年
〔作家賞〕バージニア・ハミルトン(アメリカ)
〔画家賞〕クビエタ・パツォウスカー(チェコスロバキア)
1994年
〔作家賞〕まど・みちお(日本)
〔画家賞〕イエルク・ミュラー(スイス)
1996年
〔作家賞〕ウーリー・オルレブ(イスラエル)
〔画家賞〕クラウス・エンジカート(ドイツ)
1998年
〔作家賞〕キャサリン・パターソン(アメリカ)
〔画家賞〕トミー・アンゲラー(フランス)
2000年
〔作家賞〕アナ・マリア・マシャド(ブラジル)
〔画家賞〕アンソニー・ブラウン(イギリス)
2002年
〔作家賞〕エイダン・チェンバーズ(イギリス)
〔画家賞〕クェンティン・ブレイク(イギリス)
2004年
〔作家賞〕マーティン・ワッデル(アイルランド)
〔画家賞〕マックス・ベルジュイス(オランダ)
2006年
〔作家賞〕マーガレット・マーヒー(ニュージーランド)
〔画家賞〕ボルフ・エァルブルッフ(ドイツ)
2008年
〔作家賞〕ユルク・シュービガー(スイス)
〔画家賞〕ロベルト・インノチェンティ(イタリア)
2010年
〔作家賞〕デイビッド・アーモンド(イギリス)
〔画家賞〕ユッタ・バウアー(ドイツ)
2012年
〔作家賞〕マリア・テレサ・アンドゥルエット(アルゼンチン)
〔画家賞〕ピーター・シス(チェコ)
2014年
〔作家賞〕上橋菜穂子(日本)
〔画家賞〕ホジェル・メロ(ブラジル)
2016年
〔作家賞〕曹文軒(中国)
〔画家賞〕ロートラウト・ズザンネ・ベルナー(ドイツ)
2018年
〔作家賞〕角野栄子(日本)
〔画家賞〕イーゴリ・オレイニコフ(ロシア)
2020年
〔作家賞〕ジャクリーン・ウッドソン(アメリカ)
〔画家賞〕アルベルティーヌ(スイス)
2022年
〔作家賞〕マリー・オード・ミュライユ(フランス)
〔画家賞〕スージー・リー(韓国)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android