地向斜・造山運動論に基づいて考えられたもので、細長い堆積(たいせき)区の地向斜に対応する地帯として、変動する幅広い隆起帯のことをいう。地向斜と同程度の地域的広がりをもち、地向斜に隣り合うか、または地向斜と地向斜の間に位置する。地向斜にもたらされる膨大な量の砕屑(さいせつ)物は、地背斜が侵食区となってここから運ばれたものとされる。フランスのオーボワンJ. Aubouinが1965年に発表したところによると、ユー地向斜とミオ地向斜が配列するとき、両者の間に位置するものをミオ地背斜隆起とよび、ユー地向斜を隔てた反対側に位置するものをユー地背斜隆起とよんで区別される。
地背斜という用語は、プレートテクトニクス説の登場によって、地向斜という言葉が使われなくなったのに伴い、現在では使われていない。
[村田明広]
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