坂口謹一郎(読み)サカグチキンイチロウ

デジタル大辞泉 「坂口謹一郎」の意味・読み・例文・類語

さかぐち‐きんいちろう〔‐キンイチラウ〕【坂口謹一郎】

[1897~1994]農芸化学者。新潟の生まれ。東京帝大教授学士院賞受賞、文化勲章受章。発酵菌類研究貢献著作に「世界の酒」「日本の酒」など。

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精選版 日本国語大辞典 「坂口謹一郎」の意味・読み・例文・類語

さかぐち‐きんいちろう【坂口謹一郎】

  1. 農芸化学者。新潟県出身。東京帝国大学卒。東京帝国大学教授。酒、発酵菌類の研究に努め、イノシン酸の工業的生産成功日本学士院賞、文化勲章を受けた。主著「世界の酒」「日本の酒」。明治三〇~平成六年(一八九七‐一九九四

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20世紀日本人名事典 「坂口謹一郎」の解説

坂口 謹一郎
サカグチ キンイチロウ

昭和期の発酵・醸造学者 東京大学名誉教授



生年
明治30(1897)年11月17日

没年
平成6(1994)年12月9日

出生地
新潟県高田(現・上越市)

学歴〔年〕
東京帝国大学農学部農芸化学科〔大正11年〕卒

学位〔年〕
農学博士〔昭和7年〕

主な受賞名〔年〕
日本農学会賞〔昭和13年〕「菌類による有機酸類の生産並びにその工業的利用に関する研究」,日本学士院賞〔昭和25年〕「本邦産発酵菌類に関する研究」,東レ科学技術賞(昭37年度)「核酸の一新分解酵素とそれを応用した呈味物質に関する研究」,レジオン・ド・ヌール勲章コマンドール章〔昭和37年〕,全国発明表彰(恩賜発明賞 昭39年度)「微生物による5′‐ヌクレオチド類製造法」,藤原賞(藤原科学財団)〔昭和41年〕「微生物による発酵生産物に関する基礎的研究」,文化勲章〔昭和42年〕,勲一等瑞宝章〔昭和49年〕

経歴
東京大学助手助教授を経て、昭和14年教授に就任。かたわら東京高等農林専門学校教授、農林省米穀利用研究所(現・農水省食品総合研究所)初代所長を歴任。東大応用微生物研究所の創設に尽力し、28年初代所長になる。農学部長を務めた後、34年に退官、その後は理化学研究所副理事長等を務めた。発酵・醸造学の世界的権威として知られ、酒に関する研究は比類ない。著書に「世界の酒」「日本の酒」「古酒新酒」など。また短歌にも親しみ、歌集に「醱酵」「愛酒楽酔」がある。平成11年新潟県・頸城村に坂口記念館がオープンする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「坂口謹一郎」の意味・わかりやすい解説

坂口謹一郎
さかぐちきんいちろう
(1897―1994)

農芸化学者。明治30年11月17日、新潟県上越市高田に生まれる。東京帝国大学農学部農芸化学科卒業(1922)。同大学助教授、教授(1939~1958)を経て、名誉教授。その間、農林省食糧研究所初代所長、理化学研究所主任研究員、農芸化学会長、応用微生物研究所初代所長などを兼任。おもに発酵菌類の研究を行い、日本中の麹(こうじ)菌の採集、分類、発酵機作(発酵のメカニズム)、醸造の研究という広範囲に及ぶ業績があり、学士院賞受賞(1950)。研究組織をよくまとめ、日本の応用微生物学発展に尽くした。文化勲章受章(1967)。また歌人としても優れ、歌会召人(めしうど)(1974)を務めた。一般向け著書に『世界の酒』(1957)、『日本の酒』(1964年、ともに岩波新書)がある。

[岩田敦子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「坂口謹一郎」の意味・わかりやすい解説

坂口謹一郎
さかぐちきんいちろう

[生]1897.11.17. 新潟
[没]1994.12.9. 東京
発酵学者,農学博士。東京帝国大学農学部卒業 (1922) 。同大学発酵学講座の助手,講師,助教授を経て,教授となる (1939~58) 。 1938年に「菌類による有機酸の生産ならびに工業的利用」の研究で日本農学賞受賞,1950年「本邦産発酵菌に関する研究」で日本学士院賞受賞。東大応用微生物研究所の創設にあたって初代所長 (1953~57) に就任。日本学士院会員に選ばれ (1962) ,フランスの農学学士院会員にも推薦された (1962) 。 1967年には文化勲章を受けた。著書に『世界の酒』『日本の酒』『古酒新酒』などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「坂口謹一郎」の解説

坂口謹一郎 さかぐち-きんいちろう

1897-1994 昭和時代の農芸化学者。
明治30年11月17日生まれ。昭和14年母校東京帝大の教授となり,28年東大応用微生物研究所初代所長。34年理化学研究所副理事長。発酵菌類の研究で知られ,酒博士とよばれた。25年学士院賞。42年文化勲章。平成6年12月9日死去。97歳。新潟県出身。著作に「世界の酒」「日本の酒」など。歌集に「醗酵」。
【格言など】たのしみは何かと問はばうまさけをあるにまかせて飲みくらすこと(「愛酒楽酔」)

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367日誕生日大事典 「坂口謹一郎」の解説

坂口 謹一郎 (さかぐち きんいちろう)

生年月日:1897年11月17日
昭和時代の農芸化学者。東京大学応用微生物研究所所長;農林省米穀利用研究所所長
1994年没

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