坪刈
つぼがり
江戸時代、田の稲を一坪刈り取り、その収穫高を検査すること。凶作などのとき、田の作柄を見て(検見(けみ))年貢を賦課するが、その作柄を見るとき、坪刈を行って、その年の収穫高を確定し、年貢高を決めた。坪刈をする場合、田の上田・中田・下田の三か所ずつ、計九か所を選んで各一坪の稲を刈り、その田の収穫高を検査した。たとえば、その結果、一坪に籾(もみ)六合の収量があれば、五合摺(ずり)として一反に玄米九斗の収穫ということになり、その収穫高に年貢率を掛けて年貢高を決定した。
[川鍋定男]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
坪刈
つぼがり
江戸時代,課税法の一つである検見 (けみ) の方法
一歩刈 (いちぶがり) ともいう。検見の役人が村内の上・中・下の各田地1坪を選んで刈り,その収穫を検査して,全収穫を推定し,租率決定の基礎としたもの。明治時代以降も続いて用いられた。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
つぼ‐がり【坪刈】
〘名〙 江戸時代、年貢の租率を決めるために、上・中・下田一坪(約三・三平方メートル)当たりの稲を刈り取って、その平均実収量を算定すること。歩刈。
舂法(ついほう)。
※俳諧・孤松(1687)秋「坪刈に床見られたる鶉かな〈定克〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
坪刈【つぼがり】
一坪刈,歩刈とも。検見に際して検見役人が村内田地の上・中・下各等級の任意の1坪のイネを刈り取り,その収量を調べること。これにより全収量を見積もり,租率決定の基準とした。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
つぼ‐がり【坪刈(り)】
田地1坪の稲を刈り取り、それを基礎として全体の収穫量を算出すること。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例