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垂直磁気記録 スイチョクジキキロク

4件 の用語解説(垂直磁気記録の意味・用語解説を検索)

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

垂直磁気記録

ハードディスクなどの磁気媒体データを記録する方式のひとつ。磁気記録面に対して垂直にデータを記録する方式で、従来の水平磁気記録方式に比べて高密度の記録が可能。水平磁気記録方式では、磁気ヘッドが記録面に対して平行に磁界を加えて、0と1のデータを記録する。この方法では、ハードディスクを高密度にすると1ビットを記録する領域が狭くなるため、磁力が不安定になる。これに対して、垂直磁気記録では、垂直方向に磁界をつくるため、同じ面積でより多くのデータを記録できる。最近では、ほとんどのハードディスクに垂直磁気記録方式が採用され、小型化、大容量化が進んでいる。

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デジタル大辞泉の解説

すいちょく‐じききろく【垂直磁気記録】

ハードディスクなどの磁気ディスク装置で採用される記録方式の一。ディスクの磁気記録面に対し、磁界の方向を垂直に配置して記録密度を高めたもの。PMR(perpendicular magnetic recording)。→水平磁気記録

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

垂直磁気記録
すいちょくじききろく
perpendicular magnetic recording

磁気テープ磁気ディスク(ハードディスク)などに情報を磁化して記録させる方法のうち,媒体面に対して垂直方向に磁石を並べる方法。従来の長手方向に磁石を並べる方法では,隣り合った磁石間に反発力が働き,高密度に磁石を並べ記録するには本質的な限界があった。それに対し,符号の違う磁極を表面に交互に並べる垂直磁気記録方式では,両隣の磁石に吸引力が働き相互に磁化を強め合うため,安定的に高密度で記録することができる。媒体にはベースフィルム上に軟磁性裏打ち膜をつけ,その上にスパッタ法などで堆積したコバルトクロム合金薄膜などが使われた。これは直径 20nm程度の柱状金属粒子が稠密に垂直に形成できるため,膜面に垂直な記録に適しているとされた。1975年東北大学教授の岩崎俊一が発明し,2005年この方式を採用したハードディスクを東芝が世界で初めて商品化した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

垂直磁気記録
すいちょくじききろく
Perpendicular Magnetic Recording

記録媒体を垂直(膜厚)方向に磁化させてデータを記録させる高密度磁気記録方式。光磁気ディスク(MO)に採用されている。長手(ながて)磁気記録(水平磁気記録)方式のハードディスクでは記録密度が限界に近いので、垂直磁気記録方式のハードディスクも登場した。
 磁気記録は並べた微細な棒状磁石の極性を変化させて情報を記録する方式であるが、現在の膜面方向に棒磁石を並べて磁化させる長手方式では記録密度を上げると隣接するビットによる減磁界の影響が大きく、ビット当りの体積が小さくなりすぎて熱的な影響を受けやすい。これに対して、棒磁石を縦に並べる垂直磁気記録方式では棒磁石の長さ(膜厚)を大きくとれるので体積は大きくでき、熱的な影響も受けにくく、書き込まれたお互いの情報間に生ずる減磁界の影響も小さくできる。さらには、外部からの浮遊磁界に対しても強くなるので、読み書きヘッドの性能にもよるが、長手方式の数倍以上の記録密度が可能とされる。
 垂直磁気記録は東北大学教授の岩崎俊一(1926― 、現東北工業大学学長)が1975年(昭和50)に提案したものではあるが、磁気ディスク装置として実用化されたのは2004年(平成16)の暮れと比較的新しい。東芝が40ギガバイトの携帯音楽プレーヤー用に1.8インチ型ハードディスク装置を発表したのが最初で、翌年80ギガバイトのものの量産を開始する。2006年には、現行ハードディスクの平方インチ当り100ギガビットに比べ179ギガビットの記録密度を達成し、200ギガバイト2.5インチ型をノート型パソコン、カーナビゲーション用に商品化し、携帯電話用の0.85インチ型へ展開した。他に、2.5インチ型は日立GST(Hitachi Global Storage Technologies)と富士通が製品化を進めており、ディスクの供給は昭和電工、HOYAなどが開始している。一般的な3.5インチ型でも多くの製品が登場している。
 記録密度を上げると、従来型の多結晶磁性連続膜では結晶粒のサイズや形の不ぞろいのため再生信号の雑音の原因となり、高密度化のために結晶粒を小さくすると「熱ゆらぎ」により磁化が不安定になり、時間とともに記録が失われる問題もある。対策として日立と東北大は人工的にそろえた磁性微粒子を規則的に配列するなどの技術を開発し、記録の高密度化が進んでいる。[岩田倫典]
『日本材料科学会編『近代磁性材料』(1998・裳華房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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