ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「堀内正和」の意味・わかりやすい解説
堀内正和
ほりうちまさかず
[没]2001.4.13. 東京,渋谷
彫刻家。日本の抽象彫刻の先駆者。常に抽象的な形態にこだわり続け,機知に富んだ作品で高く評価された。1929年二科展に初入選したのを機に東京高等工芸学校を中退し,番衆技塾で藤川勇造に師事した。第2次世界大戦中,思想的な統制に反発して制作を一時中断。1950~74年京都市立美術大学教授として後進の育成にあたった。1950年代半ばから鉄を溶接した,構成的な抽象作品を制作。1960年代末からは切断や分割によるシリーズを制作。直方体,正六面体などの幾何学的な形態を分割し,意表をついたユーモアあふれる作品を生み出した。1957年サンパウロ・ビエンナーレに出品(→ビエンナーレ)。1963年『海の風』で高村光太郎賞,1969年箱根彫刻の森美術館の現代国際彫刻展大賞,1970年神戸須磨離宮公園現代彫刻展で神奈川県立近代美術館賞を受賞。(→現代美術)
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