塩村(読み)しおむら

日本歴史地名大系 「塩村」の解説

塩村
しおむら

[現在地名]大沢野町塩

神通川右岸の下位段丘に位置し、東は上大久保かみおおくぼ村・中大久保村、西は神通川中洲にある中神通村・西神通村(現八尾町)。地名は村内多久比礼志たくひれし神社の由緒にある塩泉からきたと考えられる。当地は大久保地区で最も古くから開け、塩野という原野名も塩に付属するところから名付けられた。加賀藩領から万治三年(一六六〇)以降富山藩領。正保郷帳では高三五二石余、田方一八町余・畑方五町五反、新田高一一一石余。寛政二年(一七九〇)の高物成品々手鏡では古高六五五石余・定免三ツ五歩三厘、新田高九七石余・平均免一ツ三歩一厘余、銀納畑三千一六四歩があり、小物成は塩野役一二五匁六分・簗役五三匁・鮭川役一七匁・鱒川役一匁・舟役五匁・蟹簗役一匁・銀納草一六匁一分九厘・柳差三匁。


しおばみむら

[現在地名]輪之内町塩喰

揖斐いび川左岸の大吉おおよし輪中北西部と牧田まきだ川が合流する揖斐川の中洲に位置し、南は大吉新田、東は豊喰とよばみ新田。現在の当地は揖斐川両岸に広がる。当村付近は河流の変化の激しい地で、宝永元年(一七〇四)の濃州川々取払普請所絵図(林家蔵)などによると、揖斐川本流は当村北の突端部を西に曲流して牧田川と合流、村の西側を南流する。東側は突端部で分流した石堰いしぜき川が南流して揖斐川に合流する中洲上に立地している。屈曲の多い揖斐川が牧田川と合流する付近は伊勢湾の海潮の干満が影響するところから、塩喰の名が生れたという。

塩村
しおむら

[現在地名]吉井町塩

神保じんぼ村の南、東は多比良たいら村、北西は長根ながね村、南は神保村飛地の字八束やつか大沢おおさわ村と接し、八束に発する八束川が字川瀬かわせで大沢川に合して村央を北流する。村名は字塩田えんでんから塩分を含有する鉱泉が湧出することにちなむという。慶長一〇年(一六〇五)の寄帳(向井文書)の表紙には「塩神保寄帳」とあり、元和七年(一六二一)の夏成帳(同文書)には塩村とある。

塩村
しおむら

[現在地名]いわき市平塩たいらしお

夏井なつい川左岸にあり、南対岸北白土きたしらど村、西は鎌田かまた村、東は中神谷なかかべや村。元弘三年(一三三三)一二月日の濫妨放火軍勢交名注進状(三坂文書)に「塩五郎三郎入道・同舎弟孫四郎・同七郎」などの名がみえ、「名誉悪党等也」とされる。磐城郡に属した。近世は磐城平藩領。文禄四年(一五九五)の四郡検地高目録にしほの村とあり、高三八七石余。慶長一三年(一六〇八)の岩城領分定納帳(内藤家文書)に塩之村とあり、高四八六石余。正保郷帳では塩野村とあり、田方二一九石余・畑方二六六石余。元禄郷帳では高五八八石余。延享四年(一七四七)の村明細帳(内藤家文書)によれば塩野村とあり、本田高五八七石余・反別五〇町八反余、新高八三石余・反別九町二反余、家数七一(うち本百姓四一・水呑二九)、人数三二五、馬三〇。

塩村
しおむら

[現在地名]江南町塩

江南台地南縁から比企丘陵にまたがる村で、西は比企郡古里ふるさと村・吉田よしだ(現嵐山町)、北は板井いたい村、南は同郡和泉いずみ(現滑川町)。村の北を東流する和田わだ川と南西を南東流するなめ川の入り込んだ谷が楔形をなしている。丘陵内の谷頭部の駒込こまごめ池・正木まさき池・久保谷くぼやつ池・もろやつ池・檜木谷ひのきやつ池といった溜池は、用水源として利用されている(郡村誌)

塩村
しおむら

[現在地名]可児市塩

坂戸さかど村の西にあり、北境を西流する可児川に南から矢戸やと川・横市よこいち川が合流する。帷子かたびら七郷の一。慶長九年(一六〇四)の徳川家康朱印状(内閣文庫蔵古文書書上)によれば塩村四七八石余が旗本林正利に宛行われた。正保郷帳によれば田三六七石余・畑一一〇石余、草山がある。「正事記」によれば寛文年間(一六六一―七三)の尾張北部のキリシタン弾圧の端緒となったのは、当村の隠れキリシタン捕縛からである。正徳三年(一七一三)中切村吉利支丹所縁者帳(奥村文書)にも寛文元年の塩村検挙と周辺の村々での信者発覚が伝えられている。

塩村
しおむら

[現在地名]西会津町奥川おくがわ元島もとしま

井岡いおか村の東、奥川の右岸に位置し、同川を挟み南は新町しんまち村。耶麻郡吉田組に属した。地名は昔、村内に塩湯が湧出していたことに由来するという(新編会津風土記)。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録には「塩野」とみえ、高六二石余。寛文五年(一六六五)の「吉田組風土記」では高四〇石余(うち新田一石余)、免三ツ二分二厘、反別は田方二町三反余・畑方二町二反余、家数三(竈数六)、男一三・女一六、馬二(うち五調一)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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