多良木町(読み)たらぎまち

日本歴史地名大系 「多良木町」の解説

多良木町
たらぎまち

面積:一六六・四八平方キロ

球磨郡の東部に位置し、東は湯前ゆのまえ町・宮崎県児湯こゆ西米良にしめら村、西は相良さがら村・須恵すえ村・免田めんだ町・岡原おかはる村・うえ村、南は宮崎県小林こばやし市・同県西諸県にしもろかた須木すき村、北は水上みずかみ村・五木いつき村に接し、盆地瓢箪形に横断した地形をなす。北部・中部・南部に大別され、北部および南部は九州山脈の支脈黒原くろばる(一〇一七・一メートル)などの諸高峰が連なり、渓谷より流れ出る小椎こじい川・牛繰うしくり川・枝川内えだごうち川・綾北あやきた川などの流域に集落が点在する。中部は平坦地で、球磨川および百太郎ひやくたろう幸野こうの両溝を利用した水田地帯。国鉄湯前線多良木駅を中心に国道二一九号一帯が商業の中心地で、市街地を形成し、県立高校・警察署・公立病院など上球磨・中球磨の行政・教育の中心地である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多良木町」の意味・わかりやすい解説

多良木〔町〕
たらぎ

熊本県南東部,人吉盆地東部にある町。 1926年町制。 55年黒肥地 (くろひじ) 村,久米 (くめ) 村と合体。中央を球磨川が流れ,鎌倉時代には多良木荘がおかれた。 13世紀頃の築城とみられる鍋城などの城跡,鎌倉時代建立の青蓮寺阿弥陀堂,阿弥陀如来および脇侍立像 (重要文化財) ほか中世の遺跡が多い。江戸時代には人吉藩によって球磨川を水源とする百太郎溝,幸野溝の灌漑用水路がつくられ本格的に開発された。明治中期には福岡県筑後川流域の人々が入植し,開拓は球磨川扇状地面に及んだ。米,シイタケ,メロンを産し,乳牛肉牛ブタの飼育のほか,林業,製材業も行われる。球磨焼酎を特産。球磨川沿いに国道 219号線が通じる。面積 165.86km2。人口 9076(2020)。

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