日本大百科全書(ニッポニカ) 「多良見」の意味・わかりやすい解説
多良見
たらみ
長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡にあった旧町名(多良見町(ちょう))。現在は諫早市(いさはやし)の西部を占める。旧多良見町は大村湾の南岸に位置する。1965年(昭和40)町制施行。多良見の地名は、大村湾を隔てて多良岳を望む絶佳の地を意味する。2005年(平成17)諫早市に合併。旧町域をJR長崎本線、長崎自動車道、国道34号、207号のほか長崎バイパスが通じる。喜々津(ききつ)地区は長崎本線の新線と旧線の交差点にあたり、工業団地、住宅団地が形成され、ゴルフ場を有し、長崎市の近郊的性格を有する。大草(おおくさ)、伊木力(いきりき)はミカン栽培の盛んな地区で、かつて大草から大村湾を縦断し大村に至る定期船があった。伊木力は天正(てんしょう)年間(1573~1592)に栽培が始められた伊木力ミカンの発祥地で、1戸当り栽培面積は1ないし2ヘクタールに及ぶ。当地域の栽培面積は600ヘクタール。
[石井泰義]