出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
奈良県北部の市。1948年市制。人口6万8451(2010)。奈良盆地南西部にあり,金剛山地より流れ出た葛城(かつらぎ)川と高田川が形成する扇状地の末端部に位置する。高田は大坂方面よりの長谷詣の街道筋に当たり,中世には摂関家領平田荘の荘官当麻(たいま)(高田)氏が高田城に拠り,また万歳城に拠る万歳氏がいて,抗争を繰り返した。近世には西本願寺掛所の専立(せんりゆう)寺(高田御坊)の門前を中心に寺内町が形成された。現在は,近鉄南大阪・大阪両線とJR和歌山・桜井両線が通じ,大阪への通勤圏に含まれてベッドタウン化が進み,市街地は南部や西部に拡大している。産業は,大和木綿の伝統を継いだ靴下,メリヤスなどの繊維産業が盛んで,その他にゴム製品,ボタン関係の工場も多い。当麻氏によってまつられた高田天神社,長谷観音と同木といわれる十一面観音を本尊とする長谷本(はせもと)寺などがある。
執筆者:橋本 征治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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