特定政策の企画・立案や政務について補佐・助言する、国務大臣の直属スタッフ。政治主導で政策決定する体制を強化するため、2014年(平成26)4月成立の国家公務員制度改革関連法に基づいて新設が決まり、同年9月の第二次安倍晋三(あべしんぞう)改造内閣の発足後に初めて起用された。定員は内閣府が6人、復興庁と各省が1人ずつ。各国務大臣はその裁量で1人ずつ大臣補佐官を置くことができる。国務大臣が指名し、閣議で正式決定する。国会議員との兼職も可能である。得意分野をもつ民間人や政治家に国務大臣を補佐させることで、官僚機構とは異なる発想での迅速な政策決定をすることを期待されて導入された。ただし大臣補佐官は組織を代表する立場にはなく、副大臣や政務官のような指揮命令権はない。大臣補佐官の報酬や待遇は、政治家の場合で各省庁の政務官級、民間人の場合は事務次官級と規定されている。
大臣補佐官はイギリス政府の制度をモデルとして、民主党が導入を提唱した。2008年の国家公務員制度改革基本法には閣僚を助ける「政務スタッフ」との概念が盛り込まれ、これが大臣補佐官として具体化した。内閣総理大臣には5人の大臣補佐官がおり、これを各省庁へ広げた制度とみることもできる。
ただ、大臣補佐官と副大臣や政務官との役割分担が不明確である点が問題とされることがある。また、導入時にモデルとしたイギリスでは、政府に入った政治家が世論や報道機関を意識した政策ばかりを策定しがちで弊害が目だつとの下院特別委員会による報告をまとめている。
[編集部]
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