天上天下唯我独尊(読み)てんじょうてんげゆいがどくそん

故事成語を知る辞典「天上天下唯我独尊」の解説

天上天下唯我独尊

自分とは、この世界でただ一人しかいない尊い存在である、ということ。転じて、自分が一番だとうぬぼれること。

[使用例] ジョンといえば、天上天下独尊のこのジョン・チャレンジャーただ一人を指してよいのじゃ[北杜夫*さびしい姫君|1977]

[由来] 仏教開祖しゃの誕生にまつわる伝説から。たとえば、「しゅぎょうほんきょう―上」には、釈迦は、生まれるとすぐ七歩歩き、手を挙げて「天上天下、ただ我のみ尊しとす(この広い世界で、私だけが尊い存在だ)」と言った、とあります。このことばは、のちには「天下、唯我独りのみ尊し」の形で広く伝わり、「天上天下唯我独尊」という故事成語が生まれました。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「天上天下唯我独尊」の解説

天上天下唯我独尊
てんじょうてんげゆいがどくそん

宇宙のなかで自分より尊いはいないという味で,釈尊が誕生したときに,右手を上げて唱えたと伝えられる語。誕生偈 (げ) と称される。

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精選版 日本国語大辞典「天上天下唯我独尊」の解説

てんじょうてんげ‐ゆいがどくそん テンジャウ‥【天上天下唯我独尊】

〘名〙 この世界にわれよりも尊いものはないということ。釈迦が生まれた時に七歩あるいて一手を天に向け一手を地に向けて唱えたという語で、一切の衆生の度脱を宣言したものであるが、諸仏誕生時の常法ともされる。てんじょうてんがゆいがどくそん。
※正法眼蔵(1231‐53)諸法実相「しかあれども、仏法は天上天下唯我独尊なり」 〔瑞応本起経‐上〕

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ことわざを知る辞典「天上天下唯我独尊」の解説

天上天下唯我独尊

この世界に我よりも尊いものはない。釈迦が生まれた時に七歩あるいて一方の手を天に向けもう一方の手を地に向けて唱えたといわれることば。

[解説] 独善的に自分ほど偉い者はない意でも使われますが、かけがえのない個人の尊厳を示したものともいわれます。

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デジタル大辞泉「天上天下唯我独尊」の解説

てんじょうてんげ‐ゆいがどくそん〔テンジヤウテンゲ‐〕【天上天下唯我独尊】

我は世界のうちで最もすぐれた者であるの意。釈迦が誕生するとすぐに、四方に七歩歩み、右手で天を指し、左手で地を指して唱えたといわれる詩句。誕生偈(げ)。

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世界大百科事典内の天上天下唯我独尊の言及

【灌仏会】より

…古くは,仏生会(ぶつしようえ),仏誕,降誕会,浴仏斎,竜華会(りゆうげえ)などの名があるが,今では,民族のちがいを超えて国際化し,世界各地の仏教徒がこれに参加する。元来は,インド仏教徒のあいだに,釈迦の誕生に関する奇瑞を伝えて,九竜が天より下って香水でその身を灌浴し,地下より蓮花がわき出て足を支えたとし,また釈迦は四方に周行すること7歩,左手をあげて天を指し,右手を下げて地を指し,天上天下唯我独尊と叫んだという,いわゆる八相成道(はちそうじようどう)の説があって,早くこれを仏教徒共同の祭りとする風が生じた。誕生仏の製作とともに仏像に毎日灌沐する風すら生じ,これが中央アジアを経て中国に入ると,異民族の宗教行事として儀式はいっそう盛大化する。…

※「天上天下唯我独尊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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