出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
略して天竺ともいう。初めインド地方から輸入されたためこの名が出たといわれるが、一方「T」の字の商標をつけて市場に出されたため、海外ではティー・クロスT-clothとよび、またはシーティングsheetingともよぶ。平織の綿織物の一種で、粗布・細布とははっきりした区別がなく、ただ糸の太さ、密度などが若干異なるだけである。だいたいの組織の標準は経緯(たてよこ)とも20番手糸を用い、密度は経緯とも1インチ(2.54センチメートル)間49~51本ぐらい。金巾(かなきん)よりも若干生地(きじ)が厚いから、シャツ地にはあまり適さないが、生地のままで小麦粉袋、白地・無地染め、捺染(なっせん)したものは敷布・風呂敷(ふろしき)・裏地など、粗布・細布などとほぼ同じ用途に向けられる。
[角山幸洋]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報