日本大百科全書(ニッポニカ) 「奈川」の意味・わかりやすい解説
奈川
ながわ
長野県中西部、南安曇郡(みなみあずみぐん)にあった旧村名(奈川村(むら))。現在は松本(まつもと)市の南西部を占める。旧奈川村は1948年(昭和23)西筑摩郡(にしちくまぐん)(現、木曽郡(きそぐん))から南安曇郡に編入。2005年(平成17)松本市に編入。旧村域は岐阜県境にそびえる乗鞍岳(のりくらだけ)東麓(ろく)にあり、松本市役所奈川支所も標高1074メートルの地にある高地山村で、耕地面積は約10%。近世は野麦峠(のむぎとうげ)を越えて飛騨(ひだ)(岐阜県)高山へ通じる野麦街道に沿い、山林業と街道の物資輸送が行われたが、鉄道開通後はさびれた。野麦峠下の川浦集落には大正中期まで営業した旅人宿があったが、近年移築された。奈川渡ダム(ながわどだむ)と人造湖の梓湖(あずさこ)があり、奈川温泉は乗鞍スーパー林道の起点。
[小林寛義]