委託売買(読み)イタクバイバイ

デジタル大辞泉 「委託売買」の意味・読み・例文・類語

いたく‐ばいばい〔ヰタク‐〕【委託売買】

商品の売り手または買い手が、第三者に委託して売買を行うこと。
取引所会員である証券会社または商品取引員が顧客から委託され、取引市場において行う売買。

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精選版 日本国語大辞典 「委託売買」の意味・読み・例文・類語

いたく‐ばいばいヰタク‥【委託売買】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 商品の購入や販売を、他の商人に頼んで行なってもらうこと。〔英和商業新辞彙(1904)〕
  3. 取引所の会員である証券会社または商品仲買人が、客から頼まれて行なう売買。⇔自己売買

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改訂新版 世界大百科事典 「委託売買」の意味・わかりやすい解説

委託売買 (いたくばいばい)

所定の手数料を支払い,他の業者に委託して行う商品の売買のことであり,販売を委託する〈委託販売〉と,買付けを委託する〈委託買付〉に分けられる。委託売買において委託を受ける業者,すなわち受託者は,おおむね日本における商法上の問屋に該当し,自己の名義で取引を行うが,取引から生ずる損益はあくまでも委託者に帰属するのが通例である。したがって委託販売では,委託者からゆだねられた商品を自己の名義で販売し,その代金から手数料を差し引いたものを委託者に支払い,また委託買付では,買付けを委託された商品を自己の名義で買い付け,その代金に手数料を加えた金額を委託者に請求する。委託売買は,商品の売買を行おうとする者が,その商品の業界事情や取引の相手の信用状況等について十分情報を有していない場合に,手数料を支払って業界事情に通じた業者に売買を委託したほうが有利であり,また受託者の立場からみても,商品の売れ残りや値下がりのリスクを負うよりも,確実に所定の手数料を受け取っていくほうがよいという事情を,基本的な背景としている。

 このような委託売買は,日本では,かつて交通・通信手段が未発達で取引相手の信用状態も悪く,多くの人々にとって商取引に伴うリスクが大きかったころに,問屋取引として展開し,業界事情に通じた問屋の信用と取引技術などによって,取引の円滑化が図られたという経緯がある。商法上の問屋は,このような歴史的事情を反映しているといってよい。交通・通信手段の発達した現在では,かつてのような意味での取引上のリスクは減少し,委託売買を専業とする問屋はほとんどみられなくなり,輸出入など国際取引や国内取引では,肉・魚介青果物など生鮮食品卸売市場におけるせり売買,書籍・雑誌類の取引などに組織的な委託売買がみられるだけである。しかし現実には,取引金額の巨大化によって信用上のリスクはむしろ増大してきており,〈商社のコミッション・マーチャント化〉という指摘にもみられるごとく,委託売買そのものは個々の取引ベースでまだかなり幅広く行われている。
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百科事典マイペディア 「委託売買」の意味・わかりやすい解説

委託売買【いたくばいばい】

証券会社または商品仲買人が顧客から売買注文を受けて顧客に代わって取引所で信用取引の売買を行うこと。一定の基準を満たした信用銘柄の株券が売買対象となる。証券会社等が自己の意志によって行う自己売買に対する。委託を受ける際に委託者から担保として委託保証金または委託証拠金の預託を受け,さらに売買の報酬として委託手数料を徴する。委託保証金は,現金以外に一定の有価証券をもってこれにあてることができる。→信用取引
→関連項目商品取引員

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流通用語辞典 「委託売買」の解説

委託売買

商品の販売や買付を、一定の手数料を払って第三者の代行機関に委託すること。販売を委託する委託販売と、買付を委託する委託買付の2つがある。委託する場合、売り値の下限、または買い値の上限を指定する指値売買と、市価の変動により、受託者の力量に任す成行売買があり、委託者は、委託に際して、このいずれかを選択しなければならない。

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