ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「姜夔」の意味・わかりやすい解説
姜夔
きょうき
Jiang Kuei
[没]嘉定14(1221)?
中国,南宋の詞人。 鄱陽 (はよう。江西省) の人。字,堯章。父がくの任地漢陽で育ったが紹煕1 (1190) 年紹興の白石洞付近に居を定め,白石道人と号した。生涯官職につかず江南を往来して山水を楽しみ,晩年は窮乏のうちに終った。詩も唐の陸亀蒙を学んで陸游,范成大の後継者と評価されたが,特に詞では「清空」と評される高い格調で,艶情,風物を詠じて古今独歩といわれ,柳永,周邦彦,辛棄疾と並んで四大家と称される。また,みずからつくった曲が多く,詞のかたわらに楽譜を注記した作品が詞集に残されており,当時の曲調を復元する貴重な資料となっている。『白石道人詩集』『白石道人詩説』『白石道人詞集』などのほか,書に『続書譜』『絳帖平』,音楽に『大楽議』『琴瑟 (きんしつ) 考古図』がある。
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