精選版 日本国語大辞典 「辛棄疾」の意味・読み・例文・類語
しん‐きしつ【辛棄疾】
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中国、南宋(なんそう)の官僚文人、詞人。字(あざな)は幼安、号は稼軒(かけん)居士。歴城(山東省)の人。女真(じょしん)族の金の占領下に育ち、成人して武装蜂起(ほうき)に参加し、渡江して南宋に仕えた。江西の提点刑獄(地方法務長官)となって反乱の鎮定に成功、また湖北、湖南、江西、浙東(せっとう)などの安撫使(あんぶし)(軍政長官)を歴任、精強な軍隊(湖南飛虎軍)を創設するなど、積極的に活躍して名声があった。一貫して対金強硬策を主張し、朱熹(しゅき)(朱子)、陸游(りくゆう)などと共鳴して親交を結んだが、政府中央で消極策が主流を占めたため、晩年は鉛山(江西省)に隠居した。歌辞文芸「詞」の作家としても有名であり、600余首という宋代でもっとも多い作品を残している。慷慨(こうがい)憂憤の作が多く、北宋の蘇軾(そしょく)(東坡(とうば))と並べて蘇辛豪放派などとよばれるが、叙情的な傑作も少なくない。詞集は『稼軒長短句』12巻または『稼軒詞』4巻。年代順に整理して注を加えた鄧広銘(とうこうめい)の『稼軒詞編年箋注(せんちゅう)』(1957)、鄧氏編『稼軒詩文鈔存』がある。
[村上哲見]
『中田勇次郎著『漢詩大系24 歴代名詞選』(1965・集英社)』▽『村上哲見著『中国詩文選21 宋詞』(1973・筑摩書房)』
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…音楽に通じ,したがって韻律も精密で,後世〈詞家の正宗〉と尊重される。南宋になると,対金戦争に活躍した辛棄疾(しんきしつ)(《稼軒詞》)のような〈豪放派〉と呼ばれる詞人もいるが,姜夔(きようき)(《白石道人歌曲》),呉文英(《夢窓甲乙丙丁稿》),さらに宋末では周密(《草窓詞》),張炎(《山中白雲詞》)などが周邦彦のあとを受け,精巧で典雅な詞をひろめた。これらの詞人は北宋の文人官僚とは異なり,もっぱら詩文書画などの文事だけで世に重んじられる特殊な階層で,詞はこうした文人たちによってひたすらに洗練される。…
…一方では北宋の蘇軾(そしよく)のごとく,余技として詩余を作りつつ,その内容をひろげ,古典詩に近づけた人があった。南宋の辛棄疾(しんきしつ)も熱烈な愛国の情をこのジャンルでうたい,悲壮なひびきをもたせた。しかし彼らの作はやはり例外的であり,詩余の歌曲のメロディはおそらく,やるせない悲しみをうたうのに最も適していたと思われる。…
※「辛棄疾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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[1864~1915]ドイツの精神医学者。クレペリンのもとで研究に従事。1906年、記憶障害に始まって認知機能が急速に低下し、発症から約10年で死亡に至った50代女性患者の症例を報告。クレペリンによっ...
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