嫁する(読み)カスル

デジタル大辞泉 「嫁する」の意味・読み・例文・類語

か・する【嫁する】

[動サ変][文]か・す[サ変]
嫁に行く。とつぐ。
梅子嬢さんも亦た細川に―・することを喜んで居るようである」〈独歩・富岡先生〉
嫁にやる。とつがせる。
「お勢を―・するのが厭になって」〈二葉亭浮雲
責任や罪を他人に押しつける。転嫁する。
スターン自分の責任を免れると同時に之を在天の神に―・した」〈漱石草枕
[類語]嫁ぐ嫁入り輿入れ結婚片付く縁付く縁を結ぶ縁結び玉の輿に乗る結ばれる妻帯さいたいする身を固める所帯を持つ一緒になる連れ添う添い遂げる

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精選版 日本国語大辞典 「嫁する」の意味・読み・例文・類語

か‐・する【嫁】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]か・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. 男女が契りを結ぶ。
      1. [初出の実例]「紀袁祁臣之女粳売、嫁本国氷高評人内原直牟羅、生児身売売二人」(出典続日本紀‐天平宝字八年(764)七月丁未)
      2. 「大安寺別当女にかする男」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)九)
    2. 結婚する。嫁に行く。
      1. [初出の実例]「処女は終身嫁(カ)することを得ず」(出典:新聞雑誌‐二四号・明治四年(1871)一二月)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]か・す 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. 嫁にやる。結婚させる。とつがせる。
      1. [初出の実例]「お勢を嫁するのが厭になってと」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
    2. 責任や罪などを、他人に負わせる。転嫁(てんか)する。
      1. [初出の実例]「スターンは自分の責任を免れると同時に之を在天の神に嫁した」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一一)

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