出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
大阪府貝塚市木積(こづみ)にある浄土宗の寺。慈眼山(じげんざん)大悲院と号し、木積観音堂(こづみかんのんどう)とよばれる。寺伝によれば726年(神亀3)聖武(しょうむ)天皇の勅により行基(ぎょうき)の創建したものという。その後の沿革は不詳。方五間寄棟造(よせむねづくり)、本瓦葺(ほんかわらぶ)きの観音堂(国宝)は豊臣(とよとみ)秀吉の根来(ねごろ)攻めで唯一焼け残った堂であるが、鎌倉時代末期のものと推定される。和様を基調として禅宗様の混入がみられ、釘(くぎ)が用いられていないので俗に釘無堂とよばれる。板絵着色の天部像のほか、本尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)像をはじめ、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)立像、釈迦(しゃか)如来坐像(ざぞう)など全部で18点19体の彫刻が国の重要文化財に指定されている。これらはすべて平安前期から中期にかけて製作されたものとみられる。
[森 章司]
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