孟母三遷(読み)もうぼさんせん

日本大百科全書(ニッポニカ)「孟母三遷」の解説

孟母三遷
もうぼさんせん

中国、戦国時代の思想家孟子が、孟子の教育のために三度も住居(うつ)ったとの故事をいう。漢の劉向撰(りゅうきょうせん)の『列女伝』一に、孟母は初め墓地近くを定めたが、孟子が葬式のまねばかりするので、場の近くに転居した。すると今度は商売人のまねをして遊ぶので、ここもわが子のためにふさわしい所ではないと、学校そばに居を移すと、孟子が喜々として礼儀作法のまねをするようになったので、孟母はこここそがわが子のいるべき所だといって、ついにここに住居を定めたと伝える。

[田所義行]

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四字熟語を知る辞典「孟母三遷」の解説

孟母三遷

子供の教育には、環境が大切であるという戒め。

[使用例] 「そろそろ、孟母三遷が始まったね」〈〉彼女はほんとうに、もう明日引越す決心になったらしい[檀一雄火宅の人|1975]

[解説] 「孟母三遷の教え」の略。「孟母」は孟子の母。「古列女伝」に見える、孟子の母が、孟子の教育のために、墓地の近く(ここでは孟子が葬式のまねをした)、市中(ここでは商売のまねをした)、校のそばと住居を三度移し変えたという故事によることば。

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精選版 日本国語大辞典「孟母三遷」の解説

もうぼ‐さんせん マウボ‥【孟母三遷】

〘名〙 (「古列女伝‐母儀・鄒孟軻母」から) 孟子の母が、子どもの教育に適した環境を選んで居所を三度移し変えたという故事。孟母の三遷
※明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉憲法発布と日清戦争「孟母三遷の話も、父母からも聞き先生からも聞いてゐた」

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とっさの日本語便利帳「孟母三遷」の解説

孟母三遷

孟子の母が、環境が子に与える影響を考えて、墓地の近くから市の傍らへ、さらに学校の傍らへと居を三回遷したことから。また「孟母断機」は、学業半ばに帰宅した孟子に、織りかけの機糸を断って、学成るまで勤めるよう諭したことから。

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世界大百科事典内の孟母三遷の言及

【孟子】より

…孔子の生地に近い鄒(すう)(山東省)の人。幼少のころ,母親が教育環境を配慮して三たび転居したこと,いわゆる〈孟母三遷〉,遠く遊学した孟軻が帰省するや母親が機(はた)を断ち切って学業を中断すべからざるを説いたこと,いわゆる〈孟母断機〉は,広く知られた伝説である。孔子の孫の子思の門人に学び,儒学に通じてのち,斉の宣王に仕え,王道の理想を説いた。…

※「孟母三遷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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