学則(読み)がくそく

精選版 日本国語大辞典「学則」の解説

がく‐そく【学則】

〘名〙
① それぞれの学校での、教育、修学に関する規則。
※新聞雑誌‐三七号附録・明治五年(1872)三月「宜しく学則の正変を論じ学費の多少を問ひ」
学説。理論。
※基督教とは何ぞや(1905)〈内村鑑三〉「基督教の救済は生物学の学則に能く合ふて居る」

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普及版 字通「学則」の解説

【学則】がくそく

学問する者の守るべき準則。〔管子、弟子職〕に興き夜(よは)に寐(い)ね、~ひ、小心此れを一にし(おこた)らざる、れを學則と謂ふ。

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大学事典「学則」の解説

学則
がくそく

学校において,それぞれの組織体制,管理運営,学事などについて定めた決まり,規則。

[学則に関する法規]

学則に関わる法規として学校教育法施行規則(日本)の規定がある。同施行規則3条は,学校の設置認可の申請または届け出にあたり,「一 目的,二 名称,三 位置,四 学則,五 経費の見積り及び維持方法,六 開設の時期」を記載した書類を提出することを規定している。4条では,前条の学則中に記載する事項として①修業年限,学年,学期および授業を行わない日(休業日)に関する事項,②部科および課程の組織に関する事項,③教育課程および授業日時数に関する事項,④学習の評価および課程修了の認定に関する事項,⑤収容定員および職員組織に関する事項,⑥入学,退学,転学,休学および卒業に関する事項,⑦授業料,入学料その他の費用徴収に関する事項,⑧賞罰に関する事項,⑨寄宿舎に関する事項を定めている。また2条には,私立の学校設置者は,その設置する大学または高等専門学校について「目的,名称,位置又は学則を変更しようとするとき」は,その旨を文部科学大臣に届けなければならないと規定している。大学は学校教育法1条に規定される公教育学校であり,学校教育法施行規則に則り,これらの内容を織り込んだ学則の制定が必須である。このほか,大学設置基準においては,収容定員について「学科又は課程を単位とし,学部ごとに学則で定めるものとする」と規定している(18条)

 大学において組織体制,管理運営,学事に関することなど主要な改変を行う場合は,学則の改定を伴うことになる。また大学に関わる法令の変更があった場合は,それにあわせて学則も改定することが多い。学則に示された事項について,さらに詳細な事項を定める場合,学部・研究科,あるいは教育研究もしくは管理運営上の組織単位で「規則」や「規定」を設定し,学則にはそのことを明記する。

[学則における大学目的の記載]

2005年の中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像(答申)」では,「大学とは何か」という概念が希薄化しているなかで,各高等教育機関の個性・特色は見出せず,それぞれの人材養成目的も曖昧化し,これらを含めて教育機能軽視の傾向がある日本の高等教育を懸念し,危機を警告している。さらに現状の課題として,大学設置審査の内容や視点をより明確化し,時代の変化に応じて不断の見直しを行う必要性を指摘した。この答申を反映し,2007年に大学設置基準が改定された。学則に関しては,2条(教育研究上の目的)で「大学は,学部,学科又は課程ごとに,人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を学則等に定めるものとする」と規定された。これにより,大学は教育研究上の目的を抽象的なものとせず,養成しようとする人材像や学生に修得させるべき能力等を具体的にし,学則に提示することを義務化した。これを受け,各大学は学則に大学の目的を明確に示し,それを実現するための組織および運営体制,ならびに学事や教育課程に関しての基本規定を定めることになった。このことについて,第三者評価である大学機関別認証評価(日本)では,大学は学則に目的(使命,教育研究等の基本的方針,達成しようとする成果等)を明確に定めているかを評価基準として設定し,教育の質保証の観点から検証している。

[学則の構成]

これらを踏まえながら,一般的に学則は次のような内容構成で大学運営上の基本を条文化する。まず「総則」として大学の目的,組織の構成(学部・研究科・教育施設,教育支援施設,附属施設),役員・職員(教員,事務職員等),役員会・教授会・教育研究評議会・経営協議会等の主要会議や委員会,事務組織および技術支援組織,教育研究等の状況の公表,大学評価,男女共同参画など。続いて「学部通則(日本)」として修業年限・在学期間等,学年・学期および休業日,収容定員,教育課程,入学・卒業・転学・留学・休学・復学および退学等,教育職員免許,検定料,入学料および授業料,表彰・除籍・懲戒など。さらに「補則」として学生証,健康診断,福利厚生施設,科目等履修生,研究生および特別聴講学生,外国人留学生,研修員,公開講座など各大学の特性に応じた諸規定を明示する。

[学則と校則

学則と混同しやすいものに「校則」がある。初等中等教育機関においては,学則と同義に使われる場合もあるが,校則を定めることは法的に求められてはいない。校則は,それぞれの学校における規則のうち,とくに在校生の生活や行動,あるいは学務に関する決まりを称する。児童規則,生徒規則,学生規則などともいう。校則の設定,形式,効力は各学校に委ねられる。学校によっては校則がない場合もある。ただし,学則の設定は前述の学校教育法施行規則の諸規定によって大学を含むすべての公教育学校に求められるものであり,学則と校則の混同や誤解は避けたい。
著者: 大川一毅

参考文献: 中井俊樹・上西浩司編著『大学の教務Q&A』玉川大学出版部,2012.

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