(読み)ガク

デジタル大辞泉 「学」の意味・読み・例文・類語

がく【学〔學〕】[漢字項目]

[音]ガク(呉) [訓]まなぶ
学習漢字]1年
まなぶ。「学園学校学習苦学見学独学晩学勉学留学
学問。「学術学派科学漢学研学語学雑学実学浅学哲学博学文学無学人類学
学ぶ所。学校。「学長私学進学退学大学通学入学
学問をする人。学者。「碩学せきがく先学
[名のり]あきら・さと・さとる・さね・たか・のり・ひさ・みち
[難読]学舎まなびや

がく【学】

学ぶこと。学問。「にいそしむ」
学識。知識。「がある」
[類語]教養学問知識学術学芸学理科学サイエンス・学知

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「学」の意味・読み・例文・類語

がく【学】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まなぶこと。教えを受けること。また、勉強して得た知識。学問。
    1. [初出の実例]「冝性分皆令上レ学」(出典:続日本紀‐養老二年(718)一〇月庚午)
    2. 「学(ガク)のあるものが聞きあ全く嘘のやうな話さね」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉風呂の後)
    3. [その他の文献]〔論語‐学而〕
  3. ある原理に従って組織された知識の体系。
    1. [初出の実例]「元来何物かの仮定なしに学が成立し難いものとすれば」(出典:物理学と感覚(1917)〈寺田寅彦〉)
  4. 仏語。戒定慧(かいじょうえ)の三学を学修すること。有学(うがく)のこと。四向四果のうちの四向三果で、最後の阿羅漢果を無学という。〔大智度論‐一八〕

まなび【学】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「まなぶ(学)」の連用形名詞化 )
  2. まね。
    1. [初出の実例]「御まなびをたがはず申ける也」(出典:平治物語(1220頃か)上)
  3. まねごと。本式ではなく形ばかりに行なうこと。
    1. [初出の実例]「心ばかりの祝儀のまなび、三方土器取持て」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)八)
  4. 訓練。練習。
    1. [初出の実例]「ゼンノ manabiuo(マナビヲ) スル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  5. 学問。
    1. [初出の実例]「ちょこざいな学びを為て、人に勧める者もあり」(出典:古道大意(1813)上)

まねび【学】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「まねぶ(学)」の連用形の名詞化 ) まねをすること。まねて言うこと。
    1. [初出の実例]「邯鄲の雀、鸚鵡の行(マネひ)を仕へ奉る」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「学」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)學
16画

(異体字)
20画

[字音] ガク・コウ(カウ)
[字訓] まなぶ・おしえる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
旧字は學。爻(こう)+(きよく)+冖(べき)+子。字の初形は。屋上に千木(ちぎ)のある形。それに子を加えるのはメンズハウスの意。は後に加えたものであるが、卜文にすでにみえる。〔説文三下を正字として「覺悟するなり」と訓するが、教える意。金文の〔也(やき)〕にみえ、學の動詞形とみられる。〔玉〕にを「ふるなり」、學を「へを受くるなり。覺るなり」とあり、学ぶ意とし、両字を区別する。〔書、説命(えつめい)下〕に「惟(こ)れ(をし)ふることは、學ぶことのばなり」とあり、教と学と相長ずることをいう。

[訓義]
1. まなぶ、ならう、さとる、知る。
2. 学問、まなぶ人、まなぶこと。
3. まなびや。
4. おしえる。

[古辞書の訓]
名義抄〕學 マナブ・ナラフ・ヲシフ・モノナラフ・マネブ 〔字鏡集〕・學 ナラフ・モノナラフ・マナブ・マネブ・ヲシフ・サトル

[部首]
〔説文〕に(教)を部首とし、をその部に属する。字は・學・のように展開し、に攴(ぼく)を加えるが、その動詞形として派生した。

[声系]
〔説文〕に學の省声として鷽・覺(覚)など六字を収める。高大の義をもつものが多い。

[語系]
keは學の初形。kek、學・heukがそれより分岐する。王力の〔同源字典〕に效(効)heを同源の字とするが、效の従うところは爻ではなく矢の形で、とはその系統を異にする字である。

[熟語]
学案・学院・学苑・学稼・学界・学館・学規・学窮・学宮学究・学業・学兄・学芸・学憲・学古・学語・学行・学校学士・学子・学市・学師学資学事・学識・学室・学者学舎・学取・学習・学術・学書・学尚・学殖・学心学賑・学人・学・学政・学正・学生・学説・学租・学僧・学則・学庭・学田学徒・学統学童・学・学堂・学道・学得・学派・学伴・学費・学・学顰・学府学風・学文・学歩・学圃・学俸・学僕・学問・学門・学囿・学養・学流・学侶・学力・学林・学礼・学歴・学廬
[下接語]
為学・異学・下学・化学・科学・家学・官学・宦学・勧学・偽学・旧学・休学共学・教学・郷学・曲学・勤学・苦学・軍学・経学・見学・研学・兼学・玄学・衒学・古学・語学・向学・好学・行学・後学・講学・国学・困学・才学・在学・雑学・算学・仕学・史学・志学・私学・師学・詞学・字学・耳学・実学・受学・儒学・修学・習学・就学・従学・宿学・術学・初学・書学・小学・奨学・誦学・心学・進学・慎学・新学・崇学・正学・西学・聖学・碩学・絶学・善学・禅学・俗学・卒学・村学・大学・太学・通学・停学・哲学・篆学・同学・道学・篤学・独学・入学・農学・廃学・博学・晩学・不学・武学・文学・兵学・僻学・勉学・樸学・梵学・末学・無学・問学・遊学・幼学・洋学・来学・蘭学・理学・力学・立学・律学・留学・励学・老学・論学

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【体系】より

…システムはほかに〈組織〉〈系〉などとも訳されるが,特に〈体系〉と訳される場合には,〈理論体系〉〈体系的思想〉などの用法から知られるように,通常は〈知識の組織〉を意味する。近代ヨーロッパ哲学には,真の知は必ずその根拠を有し,したがってすべての知はその根拠づけの連関をたどって究極の根拠にまでさかのぼる一つの組織のうちにあり,知は必然的に〈体系知〉となるべきだ,という考え方があった。ドイツ観念論の時代にWissenschaft(学)という言葉,しかももっぱら単数形のこの言葉が愛用されたが,それはこの言葉がWissen(知)に集合を示す後綴‐schaftが付されており,〈組織化された知〉つまり〈体系知〉を指すのに好都合だったからである。…

※「学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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