安居島(読み)あいじま

日本歴史地名大系 「安居島」の解説

安居島
あいじま

[現在地名]北条市安居島

いつき灘にある小島。安居島・小安居こあい島の二島からなる。安居島は東西一・二キロ、南北〇・二キロ、高さ五六メートル。

寛政年間(一七八九―一八〇一)まで無住の島であったが、風早かざはや郡代官広橋太助が就任して下難波しもなんば村の草刈場として設定し、浅海あさなみ・下難波・北条の農民を移住させた。大内家文書によると、文化一四年(一八一七)以来入植が進み、天保二年(一八三一)に下難波村より分離した。浅海村庄屋の子孫大内金左衛門をはじめ嘉永六年(一八五三)には二六戸となった。好漁場であったうえ、風待港としてよく、商船寄港もあって繁栄した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「安居島」の意味・わかりやすい解説

安居島
あいじま

愛媛県北部、高縄半島北西海岸から約10キロメートル斎灘(いつきなだ)に浮かぶ小島。松山市に属す。東西1.2キロメートル、南北0.2キロメートル、面積0.26平方キロメートルで、南東約2.5キロメートルに小安居島がある。北条港から船便がある。江戸中期までは無人島であったが、その後好漁場に近いので定住が始まり、潮待ち港、風待ち港として好位置にあることから帆船寄港地として栄えた。江戸末期、航行が活発になると娼婦(しょうふ)が集まり、明治初期には70~80人にも達した。漁主農従だが、船舶輸送業も多く生活は豊かであったが、近年は漁業と観光に力をいれている。人口は1955年(昭和30)の532人をピークに、挙家離島の増加により激減している。人口27(2009)。

[深石一夫]

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デジタル大辞泉プラス 「安居島」の解説

安居島

愛媛県松山市、北条港の北北西約13キロメートルの斎灘(いつきなだ)に浮かぶ島。「あいじま」と読む。面積約0.26平方キロメートル。南東約2.5キロメートルに無人島の小安居島がある。古くは潮待ち・風待ち港として栄えた。遊女悲恋伝説に基づく観音堂がある。

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世界大百科事典(旧版)内の安居島の言及

【北条[市]】より

…北条港から約400mの海上に浮かぶ鹿(か)島は瀬戸内海国立公園に含まれる。斎灘上の安居(あい)島は江戸末期に風待港として繁栄した。八反地にある国津比古命(くにつひこのみこと)神社は風早国造物部阿佐利の創建という伝えのある古社で,秋祭は〈火事祭〉〈半鐘祭〉の異名がある。…

※「安居島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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