客土(読み)かくど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

客土
かくど

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客土
きゃくど

土壌の理化学性を改良して生産力を向上させることを目的に,他所から土壌を運び,在来層に付加すること。老朽化水田,漏水田などには鉄を含んだ粘土を,また泥炭土などには地耐力をつけるための土を,重粘土に対しては透水性を増すための砂客土を行う。客土は人力による小規模なものから大規模な軌道客土などまであり,また流水を利用する流水客土もある。流水客土は富山県の黒部川で行われたもので,丘陵の赤土層をポンプの射出水で切りくずし,その泥水を用水路に導いて田面に粘土を沈殿させる方法である。

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百科事典マイペディアの解説

客土【きゃくど】

農地または農地にしようとする土地に,入れ土または置き土をして生産性を高める方法。(1)入れ土は老朽化水田,不良土に対して,在来土の欠陥を補う土を搬入するもので,たとえば老朽化水田に鉄やマンガンに富む土を入れ土する。(2)置き土は地勢低凹で排水不良の場合や,耕土の層が浅い場合に土量補給や地上げの目的で行われるもので,客入土の性質の吟味は入れ土の場合ほど問題にならない。
→関連項目秋落ち水田土壌老朽化水田

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世界大百科事典 第2版の解説

きゃくど【客土 soil dressing】

耕地土壌の物理的・化学的性質を改良し,耕地の生産性を高めることを目的として,他の場所から適当な土壌を運搬し,耕土に混ぜる工法をいう。客土を必要とする土地は,(1)作土が浅い耕地(おおむね15cm以下の場合),(2)泥炭土,火山灰土,重粘土,極端な砂質土など土壌の物理・化学性が作物の生育に不適な耕地,(3)下層地盤の漏水性が大きい水田,(4)鉄などの成分の少ない老朽化した水田などである。また近年では,土壌汚染の復旧工法にも客土が行われるようになった。

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大辞林 第三版の解説

かくど【客土】

きゃくど(客土)」に同じ。
旅先の土地。他国。他郷。

きゃくど【客土】

土壌を改良するために、性質の違う土を他の場所から大量に運び入れ、在来の土壌に混入すること。また、その土。かくど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

客土
きゃくど

土壌の性質を改善する目的で、粘土含量が高く鉄その他の養分の多い山土や、有機物、窒素などの養分に富む湖底や沼、用水路などの泥土を田畑に搬入することをいう。客土は、溶脱した養分を補給して土壌を若返らせ、また、作土の厚さを増やす効果がある。客入土を水に懸濁させて耕地に灌漑(かんがい)し、沈殿させる方法を流水客土とよぶ。
 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和45年法律第139号)の制定以降、カドミウムなどで汚染された土壌を汚染されていない土壌と入れ替えて改良することが行われているが、このような方法を排土客土という。[小山雄生]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かく‐ど【客土】

〘名〙
① 旅先の土地。他郷。きゃくど。〔日本大辞書(1892‐93)〕
② 農耕地などの土質改良のため、他から性質の異なる土を持ってくること。また、その土。きゃくど。〔和漢雅俗いろは辞典(1888‐89)〕
※風俗画報‐二五四号(1902)農業「客土(カクド)を入れて甘薯を作る」 〔漢書‐成帝紀〕

きゃく‐ど【客土】

〘名〙
① 旅行先の土地。旅先。他郷。かくど。
② (━する) ある土地に他から土砂を搬入して土質を改良すること。または、海底に新しく土を敷いて、貝類などの増殖をはかること。また、その土。かくど。
※日本の裏街道を行く(1957)〈大宅壮一〉植民された北海道「こういう土地は他から客土しなければならぬのだが」

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