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宮宰 きゅうさいmajordomus; mayor of the palace

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宮宰
きゅうさい
majordomus; mayor of the palace

メロビング朝時代のフランク王国の最高の宮廷職。王側近の従士群の長。当時は王家だけでなく,諸侯も同様の職をおいていた。特にアウストラシア,ネウストリア,ブルグンドの有力3分国の宮宰の権力は強化された。なかでもアウストラシアの宮宰カルル・マルテルの力が最も強く,その子ピピン (小ピピン) はカロリング朝を開き,宮宰の職は消滅した。のち復活されたが文字どおりの宮廷職となった。

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デジタル大辞泉の解説

きゅう‐さい【宮宰】

フランク王国メロビング朝の最高官職。元来は王家の家政をつかさどるものだったが、王権の衰退とともに地位を高め行政職となったもの。マヨルドムス。

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百科事典マイペディアの解説

宮宰【きゅうさい】

フランク王国メロビング朝の最高の官職でmajor domusといい,〈家政の長〉の意。フランクの分王国のアウストラシアの宮宰からフランク王国全体の宮宰となったピピン2世以後その家系が次第に勢力をのばし,王権の弱体化とともにその実権を握り,カール・マルテルを経てピピン3世の時,メロビング王家を廃してフランク国王位についた。
→関連項目ピピン[1世]

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうさい【宮宰 major domus】

ローマ帝国末期および民族大移動期のゲルマン諸王国における最高の宮廷職で,とりわけメロビング朝フランク王国において重要な政治的役割を果たした。もともとは王家の家政上の仕事が中心であったが,王領地の管理をつかさどり,従士団の長をも兼ねるに及んで,国内行政の最高職に発展した。メロビング(フランク)国王以外に各分国王も宮宰を置き,なかでもネウストリア,アウストラシア,ブルグントの宮宰が頭角を現した。メロビング時代末期には王権の弱化に伴い,宮宰が政治上の実権を握り,アウストラシアの宮宰カロリング家のピピン2世(中ピピン)が,ネウストリアの宮宰エブロインを破った(テリトリーの戦,687)のちは,ピピンが全国の実権を握り,その子カール・マルテルトゥール・ポアティエの戦(732)でイスラム教徒の侵入を撃退したことにより,カロリング家の名声が確立し,その子ピピン3世(小ピピン)は751年クーデタにより王位に就き,カロリング朝を開いた。

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大辞林 第三版の解説

きゅうさい【宮宰】

メロビング朝フランク王国の官職。家政をつかさどる宮廷職が行政職に変化、王権の衰退により政治の実権者となった。 → カール=マルテル

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宮宰
きゅうさい
major domusラテン語

フランク王国メロビング朝の最高の宮廷職。もとは家政をつかさどる執事のような役職にすぎなかったが、600年ごろより、国王の従士団の指揮権を掌握した結果、その地位を高め、宮廷職から国家行政の最高官職に変化した。国王以外の各分国王も自己の宮宰を置き、7世紀以降の王権の弱体化に伴い、ノイストリア、アウストラシア、ブルグントの宮宰が頭角を現した。とりわけアウストラシア分国の宮宰カロリング家のピピン(中)は、687年、ノイストリアを破り、ノイストリア、ブルグントの宮宰職をも兼ね、全王国の実権を握った。その子カール・マルテルは、トゥール・ポアチエの戦いでイスラム軍を撃退して、同家の権威を確立した結果、その子ピピン(小)の時代に、名目的なメロビング朝の国王を廃止し、王位につくことに成功した。[平城照介]

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