宵待草(読み)ヨイマチグサ

デジタル大辞泉 「宵待草」の意味・読み・例文・類語

よいまちぐさ【宵待草】[作品名]

竹久夢二による三行詩。大正2年(1913)刊行の絵入り詩集「どんたく」に収録
唱歌にバイオリン奏者の多忠亮おおのただすけが曲をつけたもので、楽譜は大正7年(1918)出版。のち、西条八十により2番の歌詞がつけられた。

よいまち‐ぐさ〔よひまち‐〕【宵待草】

オオマツヨイグサ別名
[補説]作品名別項。→宵待草

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精選版 日本国語大辞典 「宵待草」の意味・読み・例文・類語

よいまち‐ぐさよひまち‥【宵待草】

  1. 〘 名詞 〙 植物おおまつよいぐさ(大待宵草)」の異名
    1. [初出の実例]「まてどくらせどこぬひとを 宵待草(ヨヒマチグサ)のやるせなさ」(出典:どんたく(1913)〈竹久夢二〉日本のむすめ・宵待草)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宵待草」の意味・わかりやすい解説

宵待草
よいまちぐさ

愛唱歌曲名。竹久夢二作詞多忠亮(おおのただすけ)作曲。1918年(大正7)5月、セノオ楽譜発行。明治の流行歌や唱歌調を脱し、また中山晋平(しんぺい)の一連の曲とも違った叙情的、感傷的な曲で、現代でも愛唱されている。もとの詞は七五調三句からなる短詩のため、のちに西条八十(やそ)が二節目を書き加えたこともある。著名な画家である夢二は詩作もよくし、セノオ楽譜から『なみた』『花をたつねて』ほかを出版。また大正中期以降は、同楽譜の表紙絵も多数描いた。なお、宵待草とは夏に咲くマツヨイグサ属の異称で、日没後に開花し翌朝しぼむ。その生態が「待てど暮らせど来ぬ人を」と歌う内容によく合致している。

[倉田喜弘]

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デジタル大辞泉プラス 「宵待草」の解説

宵待草〔映画〕

1974年公開の日本映画。監督:神代辰巳脚本長谷川和彦、撮影:姫田真佐久。出演:高橋洋子、高岡健二、夏八木勲、青木義朗、吉田次昭、芹明香、仲谷昇ほか。

宵待草(よいまちぐさ)〔曲名〕

日本の唱歌の題名。作詞:竹久夢二と西条八十、作曲:多忠亮。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「宵待草」の解説

宵待草 (ヨイマチグサ)

植物。アカバナ科の越年草,園芸植物。オオマツヨイグサの別称

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世界大百科事典(旧版)内の宵待草の言及

【マツヨイグサ(待宵草)】より

…花は黄色,夕刻に開き,翌朝しぼんで紅色になる。 竹久夢二が1912年に発表した〈待てど暮らせど来ぬ人を宵待草(よいまちぐさ)のやるせなさ……〉の歌詞は有名であるが,正しくは待宵草とすべきものであった。 茎は高さ30~90cm,上方でまばらに分枝し,葉は多数が互生し,披針形,無柄,中肋は白色で縁にあらい鋸歯がある。…

【竹久夢二】より

…漂泊の人生を送り,郷愁と憧憬を日本画,油絵,水彩画,木版画にあらわし,詩や童謡にうたった。つぶらな瞳の愁いを帯びた“夢二式美人”は多数の夢二画集や雑誌を通して,大正期の大衆の心をとらえ,1913年作の《宵待草》の歌は大流行した。しかし,生前は,独学の大衆画家であるゆえに画壇からは無視され,正当な評価を得たのは第2次大戦後である。…

※「宵待草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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