三役(読み)さんやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三役
さんやく

(1) 江戸幕府が直轄領に課した賦役伝馬宿入用 (五街道宿駅費用にあてる) ,六尺給米 (幕府の雇用した駕籠かきなどの給米) ,蔵前入用金 (御米蔵の費用にあてる) の三役があった。明治維新後,諸制度の整備されるなかで廃絶。 (→高掛物 ) (2) 芸能,社会そのほかの集団の主要の役職にあるものを三役と呼びならわし,たとえば郷村では名主組頭百姓代村方三役 (→村役人 ) と呼ばれ,相撲では,大関関脇小結が,能楽では,シテ方に対して,ワキ方狂言方,囃子 (はやし) 方が三役と呼ばれた。

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知恵蔵の解説

三役

小結、関脇、大関のことを指す。番付上には必ず東西各1人以上、置かなくてはいけないのが不文律。大関が1人になった場合は、横綱が大関を兼務し「横綱大関」となる。相撲協会の待遇面では、小結、関脇を指す。

(根岸敦生 朝日新聞記者 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

さん‐やく【三役】

ある組織を代表する、三つの主要な役職。また、その役職にある人。→政務三役党三役

㋐相撲で、大関関脇小結のこと。現在は横綱も含めていう。
㋑能で、シテ方に対して、ワキ方囃子方(はやしかた)狂言方
㋒茶道で、茶会のときの亭主正客(しょうきゃく)お詰め(末客)。
江戸時代、幕府直轄領で行われた特別の賦税。御伝馬宿入用米・六尺給米・御蔵前入用金の総称。高掛(たかがかり)三役。

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とっさの日本語便利帳の解説

三役

大相撲→「日常生活で役に立つ!編 スポーツ用語」の「番付」

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世界大百科事典 第2版の解説

さんやく【三役】

能楽用語。シテ方に対して,ワキ方,囃子方,狂言方の3種の職掌を総称する語。江戸時代には,たとえば観世座のワキ方は福王流または進藤(しんどう)流,金春(こんぱる)座の狂言方は大蔵(おおくら)流などのように,シテ方はある程度まで専属の三役を抱えていたが,明治以後は自由契約となり,シテ方五流(観世,宝生,金春,金剛,喜多)のいずれに対しても,三役のどの流派もが相手をする形をとっている。シテ中心主義に傾きやすい能楽社会にあって,三役の技芸を継承する演者は不足しがちである。

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大辞林 第三版の解説

さんやく【三役】

相撲で、大関・関脇・小結の総称。
会社・団体・政党などの重要な三つの役職。また、指導的地位にある幹部。
能楽で、脇方わきかた・狂言方・囃子方はやしかた。 → 仕手方
茶の湯で、亭主・正客・詰の三人。
江戸時代、幕府直轄地の3種の特別税。御伝馬宿入用米・六尺給米・御蔵前入用金の三つ。

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精選版 日本国語大辞典の解説

さん‐やく【三役】

〘名〙
[一] 三つの重要な役割、役職の意。
① 幕府勘定所の勘定奉行・勘定吟味役・勘定組頭のこと。〔地方凡例録(1794)〕
② 名主・組頭・百姓代のこと。村方三役。
③ 能楽で、ワキ方・はやし方・狂言方のこと。
茶の湯で、亭主・正客・お詰(末客)の三つをいう。
⑤ 相撲で、大関・関脇・小結のこと。
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉下「第一段を幕の内と称し、大関、関脇、小結、(以上を三役といふ)前頭と列ぬること定例の如く」
⑥ 会社、政党、組合などでの三つの重要な役職。また、その地位の人。
[二] 江戸時代、幕府直轄領での付加税の一つ。御伝馬宿入用・六尺給米・御蔵前入用の三つをいう。風水旱虫などにより田高五分以上の損毛のときは免除された。〔地方凡例録(1794)〕

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