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寄口 きこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寄口
きこう

「よりく」「よせく」とも読む。日本の律令制時代に,没落した自由民が,個人または家族ぐるみで,同姓または異姓戸籍に組入れられ,寄住者の形態をとったもの。古代の郷戸 (ごうこ) の重要な労働源となったと思われ,その隷属性は次第に増していった。

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デジタル大辞泉の解説

き‐こう【寄口】

律令制の戸籍で、他戸の戸籍に編入された者。寄人(よりゅうど)。よせく。よりく。

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世界大百科事典 第2版の解説

きこう【寄口】

日本古代の戸籍計帳における戸主との関係表示のひとつ。〈寄人〉〈寄〉あるいは何も書かれていないものも,同じ性質であると考えられている。戸主との続柄がいっさい表示されず〈寄口〉とのみ記されるものであるが,戸主と同姓のものも異姓のものもあり,また戸主のそれよりも大きい家族をなしているものもあれば,個人の例もあって,その性格規定をめぐって学説の対立がみられる。だいたいにおいて,戸籍・計帳が家族構成の実態を示しているとする論者は,寄口の隷属的性格を強調し,とくに異姓寄口を中心として家内奴隷制への傾向を認めようとするのに対して,戸籍・計帳に表現されたものが法的擬制であるとする論者は,その隷属的性格について否定的であり,編戸にあたって50戸1里制に規定されて,遠縁者などを同一戸内にあわせねばならぬところから生じる表示上の問題にすぎぬとして,〈郷戸・房戸〉の制度と関連させて考えようとする。

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大辞林 第三版の解説

きこう【寄口】

律令制下、自由民の没落した者などで、個人または家族ぐるみ寄住者として他戸の戸籍に編入された者。よせく。よりく。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寄口
きこう

奈良時代の戸籍・計帳において、戸主との血縁関係が当時の親族称呼では表せない場合につけられた一種の続柄(つづきがら)用語。「寄人」とも書く。古代戸籍の親族称呼は「いとこ」(=「同党」「従父兄・弟」「従父姉・妹」)までしかないため、これより遠い親族者や非血縁者は「寄口」「寄人」と表示するか、なにも続柄を書かずに近い親族者のあとに列記している。寄口の階層性について、寄口はすべて良民が没落したもので奴隷的存在であるとする見方が行われているが、寄口には戸主の遠い親族で、しかも家族的まとまりをもった者がかなり含まれており、このような寄口は同一戸内の共同生活者か、独立した家族が便宜上編付されたものとみたほうがよいようである。[平田耿二]

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