富士吉田市(読み)フジヨシダシ

デジタル大辞泉 「富士吉田市」の意味・読み・例文・類語

ふじよしだ‐し【富士吉田市】

富士吉田

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「富士吉田市」の解説

富士吉田市
ふじよしだし

面積:一二一・八三平方キロ
(境界未定)

県の南東端にある。南西に富士山があり、頂上直下から、その北東斜面とそれに続くなしガ原といわれる裾野原野を市域に含み、北は甲府盆地と境する御坂みさか山地の主峰の一つである三ッ峠みつとうげ山の尾根で限られ、東は道志どうし山地の西端杓子しやくし山に続く尾根で限られる。市街地は裾野原野がこれらの山地に接する所にあり、地形は南東に開け、北東に狭まる漏斗状の緩斜面である。市街地の標高は六五二―八五〇メートルで、ほぼ南高北低である。南は富士山頂直下より東の籠坂かごさか峠に至る線で静岡県駿東すんとう小山おやま町、山頂よりほぼ北に向かって三ッ峠山頂を目指す線を境として南都留みなみつる鳴沢なるさわ村・河口湖かわぐちこ町、南東方向では同郡山中湖やまなかこ村・忍野おしの村に接し、北東では三ッ峠山の尾根筋で同郡西桂にしかつら町と境する。市街地東側にはひのき丸尾とよばれる溶岩台地が連なり、この台地上に明見あすみ地区がある。またこの台地上には山中湖と忍野村の湧水を水源とする桂川が北東へ流れ、ここから福地ふくち用水をはじめ幾筋もの用水路が引かれて溶岩台地の下は広く田畑が開けている。市街地の西側にもけん丸尾とよばれる溶岩台地が連なり、台地上は新倉あらくら地区、その下部には湧水があり、みや川が北東へ流れ桂川に合流する。市域の中央部には北から南に向かって下吉田しもよしだ松山まつやま・上吉田・新屋あらやの各地区が連なる。新屋の南東部にはじよう山・小倉おぐら山とよばれる小丘があり、そこから富士の裾野に開ける梨ガ原は陸上自衛隊北富士演習場として利用され、周辺は県有林である。

市街地中央をほぼ北東から南西に向かって通る国道一三九号の道筋は、かつて富士道(谷村路)とよばれ、ここから吉田口登山道が山頂に向かっている。国道は市街地南端で西に折れて静岡県に至るが、南端で東へ折れれば静岡・神奈川両県方面に通じる国道一三八号となる。この道はかつて鎌倉街道または駿州往還とよばれた。また国道一三九号より石和方面に向かう国道一三七号も分岐している。市街西側の剣丸尾上には富士急行線と中央自動車道富士吉田線が並行して走り、同道は河口湖町との境界付近で東富士五湖道路と接続している。市名は昭和二六年(一九五一)の市制施行の時に定められたものであるが、昭和四年現在の富士急行線が開業時から駅名として使用していた。かつて上吉田町がこの名の使用を希望したが、もっと広域地名として使用すべきであるとして、取りやめている。

〔原始・古代〕

市域は富士山の火山活動の影響を直接的に受けてきた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富士吉田市」の意味・わかりやすい解説

富士吉田〔市〕
ふじよしだ

山梨県南東部,富士山北麓にある市。1951年富士上吉田町,下吉田町,明見町の 3町が合体し市制。市街地は富士山麓の標高 700~900mの溶岩上にあり,北口本宮冨士浅間神社門前町として発展。近世から甲斐絹の機業が盛んで,明治以後は機械の導入や合成繊維織物への転換により,家内工業ながらも生産額は大きい。農村部は畑作地域で,副業の竹細工は特産。市街地南部の上吉田は富士講の先達を務める御師の町として発達し,8月の「お山じまい」の夜に行なわれる吉田の火祭りは,静岡県の帯祭(→島田大祭),愛知県の国府宮裸祭とともに,日本三大奇祭の一つとして有名。杓子山,不動湯などの温泉や,雁ノ穴,吉田胎内樹型,躑躅原(つつじがはら)のレンゲツツジおよびフジザクラ群落,山ノ神のフジなど多くの国指定天然記念物がある。富士箱根伊豆国立公園に属する。富士山と周辺の湖(→富士五湖),神社などは,2013年世界遺産の文化遺産に登録された。富士急行,国道138号線,139号線,東富士五湖道路,中央自動車道が通り,インターチェンジがある。面積 121.74km2(境界未定)。人口 4万6530(2020)。

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