富士五湖(読み)フジゴコ

デジタル大辞泉 「富士五湖」の意味・読み・例文・類語

ふじ‐ごこ【富士五湖】

山梨県富士山北麓にある山中湖河口湖西さい精進しょうじ本栖もとす五つ堰止せきとめ湖。平成25年(2013)「富士山-信仰対象芸術源泉」の一つとして世界遺産に登録された。→富士山

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精選版 日本国語大辞典 「富士五湖」の意味・読み・例文・類語

ふじ‐ごこ【富士五湖】

  1. 山梨県南東部、富士山北側のふもとにある湖沼群。山中湖・河口湖・西(さい)湖・精進(しょうじ)湖・本栖(もとす)湖の五つの湖の総称。富士山の溶岩流による堰止湖

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「富士五湖」の意味・わかりやすい解説

富士五湖
ふじごこ

富士山北麓(ほくろく)の山中、河口、西(さい)、精進(しょうじ)、本栖(もとす)の五湖の総称。富士山およびその側火山の溶岩流により、富士山と北側の御坂(みさか)山地の間の谷がせき止められてできた。猿橋溶岩流(さるはしようがんりゅう)により宇津湖と剗海(せのうみ)に分割され、宇津湖の一部は水が流出し忍野(おしの)盆地となり、さらに山中湖と河口湖ができた。一方の剗海はまず本栖湖が分かれ、864年(貞観6)の青木ヶ原溶岩流により西湖と精進湖に分かたれた。現在、自然の流水口をもつのは山中湖のみで、河口湖、西湖、本栖湖は他の目的を兼ねた排水路をもつ。このため大雨による降水に対しては水位の上昇が大きい。

 五湖のうち面積が最大のものは山中湖(6.8平方キロメートル)で、最小は精進湖(0.5平方キロメートル)。最大深度は本栖湖が121.6メートルであるのに対し、山中湖、河口湖は15メートル以内である。水色、水温などは湖水の深さ、湧水(ゆうすい)量、湖面の高度などによりかなりの差が認められる。富士箱根伊豆国立公園に属し、それぞれ独自の湖の風景、富士山の姿などが楽しめ、また標高900メートル前後に位置するため各季節のレクリエーションの対象となり、近年保養観光地的な施設も増加している。2013年(平成25)に富士五湖は、富士山域や周辺の神社、忍野八海(おしのはっかい)等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。

[吉村 稔]


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改訂新版 世界大百科事典 「富士五湖」の意味・わかりやすい解説

富士五湖 (ふじごこ)

山梨県南部,富士山北麓にある山中湖河口湖西(さい)湖精進(しようじ)湖本栖(もとす)湖の5湖の総称。富士山から噴出した溶岩流によって北側の御坂山地との間の谷がせき止められてできた。まず,猿橋溶岩流によって宇津湖,剗海(せのうみ)の2湖が形成された。宇津湖はさらに溶岩流によって山中湖,忍野(おしの)湖,河口湖に分けられ,忍野湖は埋積して忍野盆地となった。剗海からはまず本栖湖が分かれ,さらに864年(貞観6)の噴火による青木ヶ原溶岩流で西湖と精進湖に分離した。山中湖からは桂川が流出するが,他の4湖には天然の排水河川がないため,降水量の非常に多いときには水位が上昇し,湖岸が浸水することもある。西湖,精進湖,本栖湖は湖面標高が平水時900mと同一で,溶岩の空隙で湖水がつながっていると考えられる。

 各湖の面積,最大深度は山中湖6.4km2,13m,河口湖5.6km2,15m,西湖2.3km2,72m,精進湖0.9km2,15m,本栖湖5.1km2,122m。水深の浅い山中湖,河口湖,精進湖は中・富栄養湖,水深の深い西湖,本栖湖は貧栄養湖で透明度も大きい。湖面標高は河口湖(831m)が最も低く,山中湖(981m)が最も高い。山中湖,精進湖は冬季結氷しスケート場となるが,河口湖は全面結氷することはまれで,西湖,本栖湖は全面結氷しない。富士箱根伊豆国立公園に含まれ,とくに富士山の景観にすぐれる。舟遊び,ワカサギ釣りなどが楽しめ,特に交通の便利な山中湖,河口湖の一帯は観光開発がすすんでいる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富士五湖」の意味・わかりやすい解説

富士五湖
ふじごこ

山梨県南部,富士山の北麓にある五つの湖。西から本栖湖精進湖西湖河口湖山中湖と半円形に並ぶ。いずれも富士山の噴火によって形成された堰止湖で,本栖湖,精進湖,西湖,河口湖は御坂山地に,山中湖は丹沢山地によって背後をさえぎられる。本栖湖,精進湖,西湖は,貞観6(864)年寄生火山の長尾山の噴火により青木ヶ原を覆った溶岩が,せの湖と呼ばれた湖に流入し,これが三分されたもの。山中湖から桂川が流出するほか天然の流出河川はない。河口湖,精進湖は富栄養湖,山中湖は中栄養湖でいずれも水深は浅い。西湖,本栖湖は水深が深く,貧栄養湖。五湖とも魚類は豊富で,ワカサギ,フナが多い。夏はキャンプ客,冬はスケート客でにぎわい,山中湖,精進湖は冬季に全面結氷し,ワカサギの穴釣り場として有名。観光地としては河口湖岸が最も開発されており,富士山北麓の観光中心地となっている。富士箱根伊豆国立公園に属する。富士山と周辺の神社などとともに,2013年世界遺産の文化遺産に登録された。

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百科事典マイペディア 「富士五湖」の意味・わかりやすい解説

富士五湖【ふじごこ】

山梨県南部,富士山北麓の堰止(せきとめ)湖群。東から山中湖河口湖西(さい)湖精進(しょうじ)湖本栖(もとす)湖と並ぶ。山中湖の桂川以外に天然の排水河川はなく,透水性のよい溶岩地帯にあるため,湖水の涵養(かんよう)・排水はおもに伏流水によって行われる。標高800〜900mの高地にあり,富士山のながめがよく,富士箱根伊豆国立公園に属する。いずれの湖も2013年,富士山の構成資産として世界文化遺産に登録。
→関連項目下部[町]せき(堰)止め湖富士山御坂山地山梨[県]

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事典・日本の観光資源 「富士五湖」の解説

富士五湖

富士山北麓(山梨県側)に点在する5つの湖。富士山噴火の溶岩流によって堰き止められたとされる。旧5千円札と現在の千円札に描かれている逆さ富士は、写真家の岡田紅陽が本栖湖で撮影した写真「湖畔の春」をもとにデザインされたもの。なお、精進湖から見える逆さ富士も有名。
[観光資源] 河口湖 | 西湖 | 精進湖 | 本栖湖 | 山中湖

富士五湖

(山梨県南巨摩郡身延町・南都留郡山中湖村・富士河口湖町)
関東・観光バスで行く名所100選」指定の観光名所。

富士五湖

(山梨県南巨摩郡身延町・南都留郡山中湖村・富士河口湖町)
日本二十五勝」指定の観光名所。

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