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阿頼耶識 あらやしき ālaya-vijñāna

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

阿頼耶識
あらやしき
ālaya-vijñāna

仏教用語。阿黎耶識,根本識 (こんぽんじき) ともいう。阿頼耶はよりどころの意。蔵と訳される。仏教の唯識説にいう第8番目の識。識とは純粋の精神作用をいう。すべての存在は元来実体のないもので,「空」であるが,万有は「識」の顕現したものにほかならないとする唯識説では,思量の働きをする末那識 (まなしき) が,万有を生じる可能力から成る阿頼耶識を対象として我執を起すとする。

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デジタル大辞泉の解説

あらや‐しき【××耶識】

《〈梵〉ālaya-vijñānaの音写と訳との合成》仏語。唯識説で説く八識の第八。宇宙万有の展開の根源とされる心の主体。万有を保って失わないところから無没識、万有を蔵するところから蔵識、万有発生の種子(しゅじ)を蔵するところから種子識ともいわれる。

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百科事典マイペディアの解説

阿頼耶識【あらやしき】

サンスクリット,アーラヤ・ビジニャーナの音写。阿梨耶識とも書き,無没識(むもつしき)・蔵識(ぞうしき)と訳す。唯識説では第八識で,宇宙万有の展開の根元であり,万有発生の種子でもある。
→関連項目縁起法相宗唯識説頼耶縁起

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大辞林 第三版の解説

あらやしき【阿頼耶識】

〘仏〙 知覚や認識・推論・自己意識などの諸意識の根底にある意識。すべての心の働きの源となるもの。唯識思想の八識の第八。阿頼耶識を煩悩ぼんのうをもつとするか、真如とするかは説によって分かれる。阿梨耶識ありやしき。頼耶。頼耶識。蔵識。無没識むもつしき

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

阿頼耶識
あらやしき

サンスクリット語でアーラヤ・ビジュニャーナlaya-vijnaという。アーラヤは住所、ビジュニャーナは認識の意味である。仏教の瑜伽行唯識(ゆがぎょうゆいしき)学派(単に瑜伽行派または唯識学派ともいわれ、中国と日本では法相宗(ほっそうしゅう)とよばれる)のたてる根源的認識。この学派は、眼(め)、耳、鼻、舌、身、意による六認識と、アーラヤ識を自我と誤認する自己執着である末那(まな)識と、アーラヤ識との八識をたてる。前七識が表層的、意識的であるのに対し、アーラヤ識は深層心理的、無意識的な認識である。アーラヤ識は前七識とその表象、つまり自我意識、意識ある存在者、自然などのあらゆる認識表象を生み出すとともに、それらの表象の印象を自己のうちに蓄えるから、種子に例えられる。アーラヤ識は種子として刻々に変化しながら成長し、成熟すると世界のあらゆる現象を生み出し、その果実としての印象を種子として自己のなかに潜在化する。世界は外的な実在ではなく、個体の認識表象である。[梶山雄一]

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世界大百科事典内の阿頼耶識の言及

【小乗仏教】より

… つぎに〈諸法無我〉については,無我であるならば行為や輪廻の主体は何なのかと考察した。経量部の種子説,大衆部の根本識,化地部の窮生死蘊などは,この問題意識から生じたもので,このうち経量部の種子説は,後の大乗の唯識説の主張する阿頼耶識(アーラヤビジュニャーナālayavijñāna)の先駆思想と考えられている。 〈涅槃寂静〉に関して小乗論師たちは,涅槃とは何か,釈迦の本質は何か,一般修行者の究極的到達点である阿羅漢(羅漢)の境地とは何か,涅槃に至る過程は何か,などの点について詳細に研究し,その思索を発展せしめた。…

【唯識説】より

…〈般若経〉に説かれる空の思想を受け継ぎながら,空を虚無主義ととらえる傾向を是正しようと,ヨーガの実践を好む人びとによって説かれ,〈あらゆる存在は心がつくり出した影像にすぎない〉という禅定体験に基づいているとされる。この説の特徴は,従来の6種の識(眼,耳,鼻,舌,身,意の六識)のほかに,あらゆる表象としての存在を生み出す根本識として,そのメカニズムを担う種子を蔵しているアーラヤ識(阿頼耶識(あらやしき))と,根源的な自我執着意識である末那識(まなしき)との二つの深層心理を立てたことである。また,存在のあり方を認識主観とのかかわりによって遍計所執性(へんげしよしゆうしよう)(主客として実在視されたあり方),依他起性(えたきしよう)(縁起によって生じている相),円成実性(えんじようじつしよう)(主客の実在視をはなれた真実のすがた)の三つに分ける三性説,およびそれを否定的に表現した三無性説も唯識説独自の思想である。…

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