尾椎(びつい)の融合したものをいう。脊椎(せきつい)動物では、その名前の示すように脊椎(椎骨)からなる脊柱が体を支えている。この脊柱はその部分によって名前がつけられており、後端の部分を尾椎とよぶ。ヒトなどの霊長類のなかには、この尾椎が融合して尾骨(尾骶骨(びていこつ)ともいう)を形成する場合がある。ヒトのような尾のない動物では尾骨は痕跡(こんせき)器官である。鳥類や両生類でも尾椎の先端が融合している場合があるが、これは尾端骨といって区別している。
[和田 勝]
脊柱の最尾端に位置し、仙骨に続く小骨で、3~6個(普通は4個)の尾椎からなる。椎弓を欠き、ほとんど椎骨としての形が残らず、下方に向かって順次小さくなっている。全体としては、それぞれが癒合し、小球形またはやや長い骨片をなす。胎生期には9個の尾椎が認められるが、発育中にしだいに消失してしまう。
[嶋井和世]
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…寛骨の後縁は凹凸に富み,腸骨と坐骨の間に大坐骨切痕が,坐骨の後縁には坐骨棘と坐骨結節との間に小坐骨切痕がある。
[仙椎vertabrae sacralesと尾骨os coccygis]
左右の寛骨に脊柱の下部がくさび形に挟まっている。これは5個の仙椎が合体して仙骨os sacrumという骨をなしたものである。…
…ただしこの鉢は,底に大きい穴〈骨盤出口〉があいて,直腸,尿道,女では腟(産道)を通している。骨盤をつくっている骨は第5腰椎,仙骨,尾骨および左右の寛骨である。寛骨はさらに腸骨,恥骨,坐骨の3部から成っている。…
…胸椎以外は肋骨が退化して,椎骨の一部になっているため,頸椎では横突起が肋横突起となって,これに肋横突孔という穴があいており,腰椎では退化した肋骨が肋骨突起として横突起の位置を占めている。仙椎と尾椎とはそれぞれ合体して1個の仙骨および尾骨になっている。第1,第2頸椎をそれぞれ環椎,軸椎という。…
※「尾骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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