屠蘇散(読み)トソサン

デジタル大辞泉 「屠蘇散」の意味・読み・例文・類語

とそ‐さん【××蘇散】

元旦に服用する延命長寿の漢方薬山椒さんしょう防風白朮びゃくじゅつ桔梗ききょう桂皮などを砕いて調合したもの。屠蘇延命散。延命屠蘇散。→屠蘇

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精選版 日本国語大辞典 「屠蘇散」の意味・読み・例文・類語

とそ‐さん【屠蘇散】

  1. 〘 名詞 〙 もと、中国の名医華陀が処方した薬といわれ、またその処方にも種々あるが、「本草綱目」では、赤朮桂心・防風・菝葜・蜀椒・桔梗大黄烏頭赤小豆からなる処方をあげている。近代の屠蘇は大黄・烏頭などの峻剤は含まれていない。一年のはじめに、これを酒に浸した屠蘇酒を飲めば、一年の邪気をはらって、寿命を延ばすという。屠蘇延命散。屠蘇。
    1. [初出の実例]「夕部(ゆうべ)病気とそ散で快気也」(出典:雑俳・川傍柳(1780‐83)初)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「屠蘇散」の意味・わかりやすい解説

屠蘇散
とそさん

サンショウシナモンハマボウフウキキョウの根、オケラの根(蒼朮(そうじゅつ)または白朮という)を混ぜたもので、漢方薬の一種。元旦(がんたん)に飲む屠蘇酒の風味づけに用いられる。

[齋藤 浩]


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飲み物がわかる辞典 「屠蘇散」の解説

とそさん【屠蘇散】


山椒(さんしょう)・防風(ぼうふう)・白朮(びゃくじゅつ)・桔梗(ききょう)・細辛(さいしん)・乾姜(かんきょう)などの薬用植物を調合した漢方薬。酒またはみりんに浸したものを、正月に邪気払いとして飲む。◇「屠蘇延命散」ともいう。「屠蘇」と略す。

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世界大百科事典(旧版)内の屠蘇散の言及

【屠蘇】より

…屠蘇酒の略。肉桂(につけい),山椒(さんしよう),白朮(びやくじゆつ)(オケラの若根),桔梗(ききよう),防風(ぼうふう)などの生薬(しようやく)を配合した屠蘇散(とそさん)を清酒,または,みりんに浸して作る。中国唐代にはじまる習俗を伝えたもので,唐代には上記のほかに大黄(だいおう),虎杖(いたどり),烏頭(うず)(トリカブトの根)を加えて〈八神散〉と呼び,これを紅色の布袋に入れて,大晦日の暮れがた井戸の中につるし,元旦に引き上げて袋のまま酒に浸した。…

※「屠蘇散」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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