蒼朮(読み)そうじゅつ

精選版 日本国語大辞典 「蒼朮」の意味・読み・例文・類語

そう‐じゅつ サウ‥【蒼朮】

〘名〙 キク科の多年草オケラの老根、または中国の揚子江下流域原産のオケラと同属の別種のホソバオケラの根。健胃利尿解熱鎮痛剤として、また、発汗をとめたり湿気を払ったりするのに用いられる。また、ホソバオケラの漢名としても用いられる。近世、湿気払いのために梅雨どきに売り歩いた。→おけら(朮)。《季・夏》
※異制庭訓往来(14C中)「茯神白朮。蒼朮。麻黄。黄芩
随筆・独寝(1724頃)上「女も男も狐臭(わきが)といふもの、扨(さて)も扨もいやなるもの也。〈略〉蒼朮を一まわり呑べし」 〔本草綱目‐草部・朮〕

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デジタル大辞泉 「蒼朮」の意味・読み・例文・類語

そう‐じゅつ〔サウ‐〕【××朮】

ホソバオケラ・シナオケラの根茎漢方で、利尿・解熱・健胃薬などに用いる。 夏》

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「蒼朮」の解説

そうじゅつ【蒼朮】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。「朮」ともいう。キク科ホソバオケラ根茎(こんけい)を乾燥したもの。健胃利尿発汗抗炎症鎮痛などの作用がある。湿疹(しっしん)皮膚炎に効く治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)不眠症腹痛貧血アレルギー性鼻炎に効く当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)五十肩肩こり神経痛に効く二朮湯(にじゅつとう)などに含まれる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蒼朮」の解説

蒼朮 (オケラ・サキクサ)

学名Atractylodes japonica
植物。キク科の多年草,園芸植物

蒼朮 (ソウジュツ)

植物。キク科の園芸植物,薬用植物。ホソバオケラの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蒼朮」の意味・わかりやすい解説

蒼朮
そうじゅつ

オケラ

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世界大百科事典(旧版)内の蒼朮の言及

【オケラ】より

…茶花に利用されるほかに,若芽は軟らかく食用とされる。地下茎を乾かしたものを蒼朮(そうじゆつ)とよび,利尿薬,芳香健胃薬として,また正月のとその材料として広く用いられている。【小山 博滋】
[薬用]
 漢方で蒼朮と呼ぶのは,中国産はA.lancea DC.およびその変種var.chinensis Kitamura,var.simplicifolia Kitamura,日本産はオケラの根茎である。…

※「蒼朮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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