山帰り(読み)やまがえり

改訂新版 世界大百科事典 「山帰り」の意味・わかりやすい解説

山帰り (やまがえり)

歌舞伎舞踊曲名清元。本名題《山帰強桔梗(やまがえりまけぬききよう)》。1823年(文政6)8月江戸森田座初演。五変化所作事《法花姿色同(のりのはなすがたのいろいろ)》の一曲。演者は3世坂東三津五郎。作詞2世桜田治助。作曲初世清元斎兵衛。振付藤間大助相模雨降(あふり)山大山(おおやま)石尊大権現(阿夫利神社)へ参詣さんけい)した江戸の勇みの男の帰途を描いたもので,木太刀梵天(ぼんてん),わら細工のらっぱ等の小道具を使う。威勢のよい江戸の職人気質を見せ,新内節の《蘭蝶(らんちよう)》をはめこんだクドキ(口説)がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山帰り」の意味・わかりやすい解説

山帰り
やまがえり

歌舞伎(かぶき)舞踊。清元(きよもと)。本名題(ほんなだい)『山帰強桔梗(やまがえりまけぬききょう)』。1823年(文政6)8月、江戸・森田座で3世坂東(ばんどう)三津五郎が初演した五変化(へんげ)舞踊『法花姿色同(のりのはなすがたのいろいろ)』の一節で、作詞2世桜田治助(じすけ)、作曲初世清元斎兵衛(さいべえ)、振付け藤間大助(だいすけ)(2世勘十郎)。相模(さがみ)大山(おおやま)の石尊(しゃくそん)様へ参詣(さんけい)した江戸の勇み(仕事師)の帰りの道中姿を描いたもの。昔の女のことを思い出しながら、納めの木太刀(だち)やらっぱのついた十文字の梵天(ぼんてん)を使っての踊りが眼目。初演の振が坂東流に伝わっている。

[松井俊諭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「山帰り」の解説

山帰り
(通称)
やまがえり

歌舞伎・浄瑠璃外題
元の外題
法花姿色色 など
初演
文政6.8(江戸・森田座(7代目森田勘弥五十回忌追善興行))

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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