山田湾(読み)やまだわん

日本歴史地名大系 「山田湾」の解説

山田湾
やまだわん

下閉伊郡の南部、重茂おもえ半島南部と船越ふなこし半島北部のリアス海岸に囲まれた湾。養殖漁業が盛んで、山田・大沢おおさわ大浦おおうら織笠おりかさには港がある。沿岸には集落が形成されており、江戸時代には船越村・織笠村・飯岡いいおか村・下山田村大沢村の五ヵ村があった。正保国絵図には「山田湊、湊口広七丁、深所九丈五尺、舟掛自由、此湊より宮古湊迄海上道規七里の間岩浜荒磯」とあり、湾内に南蛮船を描いて「寛永廿年癸未六月十三日、阿羅陀船此所江着岸、阿羅陀人十人搦取江戸へ差上」と付記する。東前面には三陸の好漁場があり、しかも各所に波静かな入江船溜をもち、古くから漁業が盛んであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山田湾」の意味・わかりやすい解説

山田湾
やまだわん

岩手県東部、陸中海岸にある太平洋の湾入。北の重茂半島(おもえはんとう)、南の船越半島(ふなこしはんとう)に抱かれ、湾岸は約25キロメートルに及ぶが、湾口は狭く約1キロメートル。湾内には大沢、山田、織笠(おりがさ)、大浦漁港がある。湾内のほぼ中央にあるオランダ島(周囲800メートル。大島ともいう)は1643年(寛永20)オランダ船が漂着した島といわれる。ホタテガイカキノリなどの養殖施設が湾内の約半分を占め、山田漁港は水揚げ量も多く、遠洋漁業基地ともなっている。三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)域に含まれる。

[金野靜一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山田湾」の意味・わかりやすい解説

山田湾
やまだわん

岩手県東部,宮古市釜石市の中間にあり,重茂半島(おもえはんとう)と船越半島にいだかれたほぼ円形の湾。関口川の河口に山田漁港があり,湾内ではホタテガイ,カキ,ワカメの養殖漁業が盛ん。湾内にはオランダ島(大島)や小島などが浮かび,両岸に続く砂浜は海水浴場としてにぎわう。三陸復興国立公園の景勝地でもある。

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