嵐三五郎(読み)アラシ サンゴロウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「嵐三五郎」の解説

嵐 三五郎(8代目)
アラシ サンゴロウ


職業
歌舞伎俳優

本名
常田 六三郎(ツネダ ロクサブロウ)

出身地
京都

経歴
大正7年沢村訥子門下生となり、劇団紺青座、新国民座を主宰した。女形でスタート、のちには男役も。戦後は関西歌舞伎に加わり、昭和25年8代目嵐三五郎を襲名。大阪、名古屋を中心に舞台に立った。29年夫人の実家のある福岡市へ移住。34年から始まった福岡名士劇の指南役となり、厳しい演技指導で知られた。36年からは北九州名士劇(のちに消滅)も指導するなど九州での歌舞伎の振興、発展に尽くした。

受賞
博多町人文化勲章〔昭和54年〕 福岡市文化賞〔昭和54年〕

没年月日
昭和58年 8月28日 (1983年)


嵐 三五郎(6代目)
アラシ サンゴロウ


職業
歌舞伎俳優

本名
中村 安之丞

別名
旧名=中村 翫之助,中村 芝歌之助,中村 竹三郎,嵐 雛助

生年月日
嘉永4年 2月12日

出生地
江戸下谷同朋町(東京都台東区)

経歴
座役人中村九十郎の子。中村芝翫の門人中村翫之助と名乗り万延1(1860)年「先代萩」で初舞台を踏む。明治6年8代目嵐雛助を襲名するが、のち嵐雛助家と不縁となり、8年6代目嵐三五郎を襲名。明治末には旅興行に出、晩年は俳優を引退した。

没年月日
大正14年 6月5日 (1925年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

朝日日本歴史人物事典 「嵐三五郎」の解説

嵐三五郎(初代)

没年:元文4.7.12(1739.8.16)
生年:貞享4(1687)
江戸中期,上方歌舞伎役者,座本。屋号京屋俳名雷子初代嵐勘四郎・3代目嵐三右衛門の門弟。京都岡崎村の農家の子として生まれる。熊五郎の名で大坂竹田芝居の子役を勤め,嵐三五郎と改めて享保6(1721)年大坂嵐三右衛門座が大芝居の初舞台。19年には立役上上吉の位付けを得た。小兵で身軽ながら芸は凜々しく,おかしみのある和事や所作事を得意としたが,器量すぐれず色事や上品な役は不出来で,まるで道外形であって「誠のやつし方ではない」という批判もあった。「後面」の所作(後頭部に面を付け,身体の前後を別役に演じ分けて踊る)や七変化などに好評を得た。名跡は昭和期の7代まである。<参考文献>『歌舞伎評判記集成』1,2期

(上野典子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「嵐三五郎」の解説

嵐三五郎(6代) あらし-さんごろう

1851-1925 明治時代の歌舞伎役者。
嘉永(かえい)4年2月12日生まれ。4代中村芝翫(しかん)に入門,江戸で中村翫之助の名で初舞台。7代嵐雛助(ひなすけ)の養子となり,明治6年8代目をつぐが,縁組を解消し,8年6代三五郎を襲名。立役(たちやく),女方を得意とした。大正14年6月5日死去。75歳。江戸出身。本名は中村安之丞。前名は中村芝歌之助,中村竹三郎(3代)。俳名は雷子。屋号は吾妻屋。

嵐三五郎(2代) あらし-さんごろう

1732-1803 江戸時代中期-後期の歌舞伎役者。
享保(きょうほう)17年生まれ。初代嵐三五郎の子。8歳で2代目を襲名。立役(たちやく)として,大坂,京都,江戸で活躍。俏事(やつしごと)と所作事を得意とした。寛政9年隠退して京屋七兵衛と名のり,翌年剃髪(ていはつ)し密巌と号した。享和3年5月2日死去。72歳。初名は嵐富三郎(初代)。後名は嵐来芝(初代)。俳名は雷子,来芝。屋号は京屋。

嵐三五郎(5代) あらし-さんごろう

1818-1860 江戸時代後期の歌舞伎役者。
文政元年生まれ。4代嵐三五郎に入門,一時2代尾上多見蔵にまなぶ。弘化(こうか)4年5代三五郎を襲名。嘉永(かえい)元年4代三桝大五郎の養子となり,三桝源之助(2代)と改名。京都,大坂で活躍,和事,実事を得意とした。安政7年2月15日死去。43歳。初名は嵐三吉(2代)。前名は尾上多幸蔵,嵐馬太郎(2代)。俳名は其鶴。屋号は京枡屋。

嵐三五郎(3代) あらし-さんごろう

?-1833ごろ 江戸時代後期の歌舞伎役者。
2代嵐三五郎の子。寛政9年(1797)3代目を襲名。花形の立役(たちやく)として京都,大坂,江戸で活躍。武道事を得意とし,道外役(どうけやく),老役(ふけやく)などにもすぐれた。天保(てんぽう)4年ごろ死去。初名は嵐松之助。後名は嵐来芝(2代)。俳名は雷子,来芝。屋号は京屋。

嵐三五郎(初代) あらし-さんごろう

1687-1739 江戸時代中期の歌舞伎役者。
貞享(じょうきょう)4年生まれ。初代嵐勘四郎の門から3代嵐三右衛門の門に転じる。立役(たちやく)として大坂,京都,江戸で活躍。俏事(やつしごと),所作事を得意とした。元文4年7月12日死去。53歳。京都出身。本名は島田喜之助。俳名は雷子,其有。屋号は京屋。

嵐三五郎(4代) あらし-さんごろう

1804-1837 江戸時代後期の歌舞伎役者。
文化元年生まれ。3代嵐三五郎の次男。文政6年4代目を襲名し,「忠臣蔵」の若狭之助などを演じ好評を博した。和事,所作事を得意とし,大坂,京都で活躍した。天保(てんぽう)8年6月29日死去。34歳。前名は嵐馬太郎(初代)。俳名は雷子。屋号は京屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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