出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
十二支の第6番目。十二支獣として蛇があてられる。4月の異称として用いられるほか、弁財天の縁日である己巳(つちのとみ)を巳の日といったり、3月最初の巳の日を巳の日の祓(はら)いまたは上巳(じょうし)の祓いといって、この日には、中国の故事に倣って、身についた罪や穢(けが)れを人形(ひとがた)に託し、これを川や海に流す風習があった。時刻としても用いられ、今日の午前10時を中心とした前後2時間を「巳の刻」「巳の時」といった。方角としては、南から東へ30度寄った方角をいい、南南東にあたっている。巳の刻が1日のなかばである午(うま)の刻(今日の午後0時)より前であるところから、巳の刻(巳の時)は物が新しい状態であることをいい、古びていく、盛りを過ぎることを「巳の時過ぐ」という。
[宇田敏彦]
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